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文科省の中学校教科書検定に対する抗議声明(大阪)

昨日発表された中学校教科書検定結果に対して
今日、子どもたちに渡すな あぶない教科書 大阪の会で「抗議声明」を出し、
記者会見を行いました。

以下に、抗議声明を紹介します。

(いが)


*******************************

2012年度使用中学校教科書検定結果について(声明)

育鵬社版・自由社版歴史・公民教科書の検定合格と
領土ナショナリズムを意図的に煽る文部科学省の検定に強く抗議する!

 3月30日、2012年度使用中学校教科書検定結果の一部が公開された。文科省は、道徳心、愛国心、公共の精神と規範意識など新教育基本法第2条の「教育の目標」を全教科で教えることを新学習指導要領で明記し、新検定制度でそれらを全ての教科書に記述することを迫った。以下、現時点でマスコミに報道された範囲で、検定結果に対する私たちの見解を明らかにし、検定結果の撤回を強く求めたい。


(1)社会科では、2001年以降、国内外から強い反発を受けている自由社版歴史・公民教科書(新しい歴史教科書をつくる会)と扶桑社版を引き継ぐ育鵬社版歴史・公民教科書(教科書改善の会・日本教育再生機構)が検定合格した。自由社版には歴史237件、公民139件、育鵬社版には歴史150件、公民51件の大量の検定意見が付いた。2社はすべて書き直し検定合格した。しかし、2社の教科書は、これまでの扶桑社版(2005年)、自由社版(2009年)と比べても、歴史歪曲と偏狭なナショナリズムを一層煽る「あぶない教科書」になっている。子どもたちに手渡すことなどできない。私たちは、文科省による2社の検定合格に強く抗議する。

<育鵬社版の新たな特徴>
①日清・日露戦争期に関しては、「隣接する朝鮮がロシアなど欧米列強の勢力下に置かれれば、自国の安全がおびやかされるという危機感が強まりました」とロシア脅威論をこれまで以上に煽り、日本の朝鮮侵略の衝動を正当化した。
②「江華島事件」や「満州事変」、「日中戦争」の原因に関して、「我が国の軍艦が砲撃された」(江華島事件)、「排日運動の激化に対し」(満州事変)、「日本軍は何者かに銃撃を加えられ」(盧溝橋事件)などと、朝鮮・中国侵略のきっかけを作ったのが朝鮮や中国であるかのように描き、正当化した。
③これまで扶桑社版でも書いていなかった「支那事変」という用語を使った。
④アジア太平洋戦争中に日本軍とタイやインド、ビルマ、インドネシアの人々との協力関係だけを意図的に取り上げ、あたかも日本軍が「アジア独立への希望」であったかのように描いた。
⑤「昭和20年、戦局の悪化と終戦」という「読み物コラム」を新たに設け「戦禍に逃げまどう沖縄県民」や「沖縄戦、ひめゆり学徒隊の看護活動」「太田実少将の電文」「特攻隊員の思い」「作家のさまざまな思い」などで、戦争への協力を「美談」として扱った。

<自由社版の新たな特徴>
①韓国併合後の朝鮮総督府による政策の美化が強調された。これまであった「耕作地から追われた農民」「朝鮮の伝統を無視したさまざまな同化政策」「朝鮮の人々の日本への反感」などの文章は脚注での小さい扱いにとどめた。
②「日中戦争の始まり」では、「日本人保護のため派兵した」と記述し、中国への日本軍の派兵を新たに正当化した。
③「コラムもっと知りたい」では、「戦時国際法と戦争犯罪」をテーマに「沖縄戦の悲劇」、原爆投下、シベリア抑留を取り上げているが、日本の戦争責任を問い直す記述にはなっていない。

<育鵬社・自由社に共通している問題点>
①「南京事件」に関して中国人の犠牲を脚注で紹介するだけで、日本軍による殺戮であったことをあいまいにしている。
②「強制連行」という言葉は全社から消えたが、他社の教科書は「強制的に」「むりやり」「意に反して」など強制であったことが分かる表現を残した。しかし、この2社だけが徴兵や徴用への「適用」という表現を使い、強制であった事実を隠している。
③沖縄戦での「集団自決」に関しても、他社の教科書は「日本軍によって集団自決に追い込まれた」等、「日本軍の関与」によるものとしているが、2社は「追いつめられた住民が、家族ぐるみで集団自決する悲劇が起こりました」(自由社)、「米軍の猛攻で逃げ場を失い、集団自決する人もいました.」(育鵬社)と、日本軍の強制であったことが全く分からない記述となっている。


(2)今回の検定で、文科省が厳しく検定意見を付け政府見解を書かせたのは「竹島」についてであった。これまで、地理で1社、公民で3社しか取り上げていなかったが、地理の全教科書が「竹島」について記述し、公民でも7社中6社が取り上げた。教育出版は歴史でも記述した。「尖閣諸島」についても、「竹島」と併記する形ですべての公民の教科書と、地理、歴史1社ずつに記述された(現行は3社)。「竹島」「尖閣諸島」に関する領土問題の記述が大幅に増えたのである。
 さらに文科省は、申請図書に対して「竹島と尖閣諸島とを同列に扱」うことに対して厳しく検定意見を付けた。「竹島」は「日本の固有の領土」だが「韓国が不法占拠」している、「尖閣諸島」は「日本が実効支配」しており「領土問題は存在しない」という日本政府の見解を書かせようとしたのである。
 その結果「竹島」記述では、「(竹島を)韓国が不法占拠している」と記述した教科書が地理1社、公民3社の合計4社となり、「(竹島は)日本固有の領土」と記述した教科書が地理3社、公民4社、歴史1社の合計8社となった。この「竹島」「尖閣諸島」記述で際立っていたのも、自由社版と育鵬社版であった。自由社版は韓国が「竹島を実力で占拠した」経過や「現在も実力支配を強化」していると記述し、育鵬社版はわざわざ政府見解まで掲載している。この2社が領土ナショナリズムと排外主義の旗振り役になっていることは間違いない。
 「竹島」「尖閣諸島」記述が大幅に増えたのは、文科省の意図によるものである。2008年に公表した新学習指導要領「解説書」には、「竹島」について「北方領土と同様に我が国の領土・領域について理解を深めさせる」と記述し、「尖閣諸島」についても、学習指導要領には記載されていないが、昨年11月の国会で高木文科相が「我が国固有の領土と明記したい」と表明していたのである。
 だが、「竹島」「尖閣諸島」は、それぞれ日清・日露戦争の真っただ中に日本政府が閣議決定して領土に編入したものである。したがってこれらは単なる領有権の対立の問題としてではなく、日本が中国・韓国を侵略していく一連の歴史的過程で生み出された問題であり、侵略戦争と植民地の清算にかかわる問題を含んでいる。私たちは、「北方領土」を含めて政府間の冷静な話し合いにより解決すべき問題であると考えるし、日本政府の立場を一方的に書き込むことは、日本の子どもたちに領土ナショナリズムを煽るだけでなく、近隣諸国への悪感情と排外主義を植え付けることにつながると考えている。このような記述は、日中韓の友好にとって百害あって一利なしである。


(3)これまで述べてきたように、今回の自由社版・育鵬社版の検定合格と日本政府見解を一方的に書かせる「竹島」「尖閣諸島」記述は、「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮」を求めた「近隣諸国条項」をないがしろにするものである。昨年8月、韓国・朝鮮の人々の「意に反して行なわれた植民地支配」を「自らの過ち」として認め、「省みることに率直でありたい」と述べた「管談話」とも矛盾する。
 また、2010年6月、国連子どもの権利委員会は「日本の歴史教科書においては、歴史的出来事に対する日本側の解釈しか記述していないため、地域の異なる国々出身の子どもの相互理解が増進されていない」との勧告を出した。今回の検定結果は、このような国際社会の声を完全に無視するものでもある。
 私たちは、菅談話と「近隣諸国条項」にもとづき、国連の勧告に応じ、自由社版・育鵬社版教科書の検定合格を取り消し、全ての教科書について近隣諸国との友好を壊すような記述を厳しく精査し、検定をやり直すように文部科学省に強く求める。それこそが日本が国際社会、とりわけアジア諸国の人々からの信頼を取り戻す道であると強く訴える。

2011年3月31日
子どもたちに渡すな あぶない教科書 大阪の会
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