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大阪市の教科書アンケート不正で、育鵬社などを公正取引委員会に告発

この間、育鵬社と日本教育再生機構が密接に協同しつつ、フジ住宅(大阪府岸和田市、1,130人、東証一部上場)を使い、大阪市での採択に向け「教科書アンケート」を大量に不正投票させたことが、大阪市教委からの情報開示とフジ住宅の内部資料から判明しました。そこで、5月9日には大阪で、10日には東京で、育鵬社と教科書執筆に関わった日本教育再生機構が不正な働き掛けをしたとして、公正取引委員会に対し、独禁法違反(不当な顧客誘引)容疑で育鵬社と機構への排除措置命令を出すよう申告しました。
 以下に大阪での申告書を転載します。最終的には大阪と東京での申告書は、新たな申告として受理されました。


 公正取引委員会御中
2016年5月9日

                       申告者     上杉 聰

 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独禁法)第2条第9項第6号への違反により第20条(排除措置命令)の実施を求める追加申告

私は、2015年6月18日、以下のような内容の申告を貴委員会に致しました。

        <<<<<<<<<<<<<

1 違反行為者(被申告者)
1)名称  株式会社 育鵬社
  所在地 東京都港区芝浦1-1-1浜松町ビルディング
  代表者 久保田榮一
  会社目的 教科書の出版など
2)名称  一般財団法人 日本教育再生機構
  所在地 東京都台東区上野1丁目17-1大湖堂ビル4階
  代表者 理事長 八木秀次
  法人目的 教科書の作成と普及

2 申告の趣旨
教科書の公正採択を確保する法的・行政的、社会的規制としては、以下のものがある。
1)独禁法第2条第9項第6号ハ「不当に競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、又は強制すること」の禁止
2)公正取引委員会告示第15号「8 実際のもの又は競争者に係るものよりも著しく優良又は有利であると顧客に誤認させることにより、競争者の顧客を自己と取引するように不当に誘引すること」(一般指定)の禁止
3)一般社団法人・教科書協会による「教科書宣伝行動基準」(「過度な宣伝行為の自粛」「採択関係者との適切な関係」「他社本への誹謗中傷の禁止」)への違反。
4)文部科学省による「教科書の採択に関する宣伝行為等について」(教科書発行者に「採択関係者に影響力のある者を宣伝活動に従事させない」「内容見本…を作成・配布しない」)の通知。
5)文部科学省による「発行者による他社教科書との比較対照や他社教科書の誤謬を利用した宣伝行為」への指導
 
育鵬社と日本教育再生機構は、同一の中学校歴史・公民教科書の執筆・作成と普及販売を行う共同事業者である(このことは証拠資料A-①~⑩により判明する。なお日本教育再生機構は、その傘下に「教科書改善の会」「教育再生首長会議」「教育再生をすすめる全国連絡協議会」などをもち、同じ目的のために活動している)。
したがって両者は、上記1)~5)の一連の法令・規則・基準・指導等に従う義務がある。ところが、とくに育鵬社の共同事業者である日本教育再生機構の活動はこれらに違反し(証拠資料B-①~⑭)、育鵬社の事業を悪質なものとしているため、早急な措置が求められる。
また、両者による共同事業に、大阪府内にある一部自治体の教育委員や首長が関与し(証拠資料C-①~⑥、D-①~④、E-①~③)、不公正な方法により膨大な数の育鵬社教科書が採択される危険性が生じている。とくに昨年6月に地方教育行政法の改訂によって首長権限の強化がなされた結果、首長介入による不正取引増大の可能性がはなはだしいものとなっている。

こうして、巨大な不正取引が行われ、ひいては教科書の採択という教育の根幹にもかかわる重大な規制がいま破壊されようとしている。そこで公正取引委員会におかれては、独禁法第20条に基づく排除措置命令の発動が、緊急の重大な課題として求められていると考え、ここに申告する。

3 育鵬社と日本教育再生機構とが共同事業者である証拠
A-①~⑩
4 日本教育再生機構の違法な活動を示す書証
  B-①~⑭
5 大阪府内各自治体における首長・教育委員の関与
  <大阪市>C-①~⑥ 大阪維新の会による教育基本府条例制定と高尾元久大阪市
教育委員による育鵬社と日本教育再生機構双方への関与 *参考資料
  <東大阪市>D-①~④ 野田義和東大阪市長が教育再生首長会議(日本教育再生
機構が事務局をつとめる団体<教育再生を全国連絡協議会>が事務局)の
幹事に就任し、日本教育再生機構・大阪で講演
  <泉佐野市>E-①~③ 千代松大耕泉佐野市長の日本教育再生機構への参加し、
同機構の泉佐野支部長を務め、市長就任後も同支部で講演      」

<<<<<<<<<<

また私は、2015年7月6日に東京で他の3名と共同申告した際提出した文書を、8月19日に近畿中国四国事務所へ補足提出しました。その内容は、以下のようなものでした。

「 (2015/)7/6に公取・東京で行った申告と書証(封筒入)

申請書 申告の趣旨・事実等について文章化
教科書協会の「教科書宣伝行動基準」について教育委員との関連部分に下線を追記
文部科学省による「教科書宣伝行為等についての通知」(p.12~p.14)
教科書問題に占める公正取引委員会による活動の比重の大きさ(上杉聰論文)
育鵬社と日本教育再生機構が共同事業者(事業者団体)として活動 A-⑪⑫
育鵬社・日本教育再生機構が教育委員への働きかけを強めてきた経過A-⑬⑭
とくに日本教育再生機構が他社に対し行った不当な批判  B-④’=⑪,⑤’=⑫
大阪市教育委員の高尾氏が行った不当行為(マーカー追記も)  C-⑥⑦

深まった高尾教育委員の疑惑(クリアファイル入)

彼はフジサンケイグルーブの要職を歴任してきた人物であるにもかかわらず、その子会社の教科書採択に8月5日の大阪市教育委員会においてかかわり、他の教育委員に対しても育鵬社教科書を推薦して長時間の訴えを行い、4対2の多数決で採択した。
その背後には、育鵬社の共同事業者(両者は「事業者団体」を実質的に構成)である日本教育再生機構からの働きかけを受け(A-⑬⑭)、インタビューや執筆への謝礼などの形で利益を受け、逆にさまざまな利益供与を事業者団体に行った疑いがある。

 a)高尾氏は、上記採択以前から、大阪市の採択地区の一元化に役割を果たし(昨年に8→1地区へ、C-⑥)、結果として毎年約2万人(×4年間=8万人)の大阪市内の子どもたちに歴史・公民の分野で教科書を販売する権限を高尾氏自身も握った(計16万冊=約1億円)。

 b)高尾氏は、さらに育鵬社・日本教育再生機構に対し、2014年の教科書の検定申請以前に、教育委員会の秘密(採択基準等)を漏らし、便宜供与を行った(C-⑥⑦)。

 c)高尾氏の任命権者である橋下市長は、育鵬社のみ後押ししたことを薄めるため他社の教科書を副教材として使用したと推定される(←7/30付け「大阪の会」による要請)

以上の事態は、公正取引委員会による活動の現在の重要さと特殊指定の制定が必要(7/28)であることを示している。       」
<<<<<<<<<<<
 以上の申告は受理されましたが、2015年11月2日付「公近審通第287号通知書」により、「調査の結果、独占禁止法に違反する行為は認められず、措置は採りませんでした」との通知をいただきました。
 貴委員会が一体どのような事実と判断理由をもって上記通知をなされたのかは示されていませんので、隔靴掻痒の感はぬぐえませんが、上記申告以後に生起し、また判明した新事実(以下のC-⑧~⑭)は、私の指摘したことが間違っていなかったことを物語っているように思います。そこで、それらを加え、ここに合わせて追加申告し、再審査を要請するものです。

Ⅰ.排除措置が採られなかった結果生じた大阪地域の教科書採択順位の大きな変化

昨年2015年8月の採択において育鵬社は、全国で採択数を約1.5倍へ増やしました。その増加分は歴史が27,427冊、公民は18,625冊でした。このうち大阪府内での新規採択は、大阪市・泉佐野市・四條畷市・河内長野市の4市で行なわれましたが、合計して歴史19,910冊、公民20,810冊にもなります(河内長野は公民のみ採択、歴史は不採択)。これは、全国における育鵬社増加分のうち、大阪府が「歴史」で73%を占め、「公民」は112%、つまり他で減少した分まで大阪が補ったことになります。とくに大阪市では、歴史・公民それぞれ18,310冊もの大量採択でした(C-⑧)。ここまで大きな採択数は、他に横浜市の27,000冊が比較できるだけです。また東大阪市でも、5年前の公民における育鵬社採択を維持しました。
 これら大阪府内の採択結果により、育鵬社のシェアは昨年、大阪府内で「歴史」が業界第2位(前回は第5位)へ、「公民」は第1位(前回第5位)へと大きく上昇しました。
 全国的にみると、育鵬社は昨年、まだ8社中第5位の地位を固めたばかりですが、大阪府内におけるこうした地滑り的な採択順位の変化は、先の申告において私が指摘、警告した大阪市・泉佐野市・東大阪市での違法な採択活動によるものであり(昨年新規採択した河内長野市と四條畷市にも同様の事態が進んでいた可能性はあり、現在調査をすすめていますが、たとえそこになかったとしても、合わせて1500冊あまりにすぎません)、これは昨年6月段階で申告したにもかかわらず、貴公正取引委員会の対応が遅れた結果と考えられます。
 公正委員会事務総長は、2006年3月22日の定例会見において、「我々が実際に事件化するに当たって注目するのは、当該行為にどれだけの広がり、つまりその行為によって…市場にある程度とか、無視せざるとか…そういう影響があった」場合、としておられますが、現在の事態はまさにそれに該当し、もはや看過すべき段階にはない、と言うべきです。
 つまり、これがもし放置されるならば、同様の違法な採択は今後全国へと波及し、取り返しのつかない事態へと立ち至る危険性があります。現在、教科書の採択に関する独禁法違反の疑いが、多くは金銭の授受問題としてマスコミで報道されていますが、金銭によらない以下に述べる事案も非常に大きな影響を与えることを示しています。その危機感は大阪のマスコミでは大きく報じられており(C-⑧’)、一般指定としての「不公正な取引方法」のうち、金銭的な「利益」とかかわる第9の問題とともに、第8の重要さを指摘するものです。

Ⅱ.大阪市での大量採択を狙った育鵬社と日本教育再生機構、フジ住宅による誘引活動

 今回判明した新事実は、育鵬社と日本教育再生機構が密接に協同しつつ、フジ住宅(大阪府岸和田市、1,130人、東証一部上場)を使い、大阪市での採択に向け「教科書アンケート」を大量に不正投票させたことが、大阪市教委からの情報開示とフジ住宅の内部資料から判明したことです(C-⑨がDVDで平易に解説)。

C-⑩ 大阪市から開示された1,153枚の教科書アンケート

 大阪市教育委員会は、2015年8月5日の社会科教科書の採択会議の冒頭で、教科書アンケートについて「全体として1,901件あり…そのうち、育鵬社の発行する教科書の採択に関する意見が最も多く(1,153件)ございまして、採択について肯定的と考えられます意見が約7割(779件、67.6%)、採択について否定的と考えられます意見が約3割(374件、32.4%)ございました」(括弧内は当日、聴衆全体に配布された資料から補足)と報告し、その流れの中で育鵬社の歴史・公民教科書の採択を行いました。
 そのアンケート1,153件を情報開示請求したところ、公開されたアンケート用紙には、他社を誹謗中傷し育鵬社教科書を支持する内容が、多くの人物により繰り返し大阪市内各地にある投函場所へ投じられ、それらを大阪市教委が集計したもので、市教委が育鵬社支持票と判断した過半数は、大阪市外からのものであることが判明しました(分析はC-⑪)。

C-⑫ 「フジ住宅内部資料」(㊙フジ住宅関係者より「子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会」へ提供された資料、現在web公開中。資料の性格はC-⑬に)計93枚
   
 新証拠C-⑩が示した違法なアンケート活動の主体が「フジ住宅」にあることは、C-⑫にある多重投票を行った社員の日報(p.88などに、アンケートの投函場所とその月日が書かれている)から判明する投函行動と、回収されたアンケート用紙(会場特有のもの、C-⑩)とが同一日、同一内容、同一筆跡であることからわかります(C-⑨にも)。「育鵬社の採択について肯定的と考えられる779件」の意見のうち約600件は、こうした同社の社員による不正な活動の結果と考えられます。
 それはここ数年来、日本教育再生機構に協力しつつ育鵬社の教科書採択運動を行ってきたフジ住宅の今井光郎会長に対し、育鵬社の吉留哲也なる人物が、「教科書採択について…現在「大阪市」については、大阪市内の教科書展示会にて数多く教科書アンケートを記入していただければ、育鵬社に採択される可能性が高くなる」(p.8)という情報を与え、会長がこれに応じて不正な活動を始めると、育鵬社と日本再生機構は以後協力してアンケート活動の実施方法をフジ住宅に指示し、推進させてきた結果でした。
 つまり新証拠C-⑫が持つ特別な意義は、育鵬社と日本教育再生機構が、こうして密接に協力しあいながら、時には領域を分担し――たとえば育鵬社は全般的に働きかけるターゲットをフジ住宅に示し(p.3)、再生機構はその際の細かなノウハウを示す(p.4,5)など)――協力してフジ住宅を指導し、両社の共同事業者としてのあり方を如実に浮かび上がらせていていることです。
また、それらの方針を受けて動くフジ住宅の側は、社員の活動内容を逐一育鵬社と日本教育再生機構の両者へ報告し(p.14,23など)、両者はさらにフジ住宅の活動を高く評価し(p.25)、採択後にはあつい感謝の念まで同社に対して述べています(p.90,92など)。
 これは、不正なアンケート活動を直接行ったのがフジ住宅であるとはいえ、育鵬社と日本教育再生機構は、同社を「そそのかし(教唆し)」、実行させた主体であり、教唆犯(刑法61条「人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する」)に該当します(間接正犯)。
 このことは、公正取引委員会告示第五号(昭和31年12月20日)にあった「三、教科書の発行を業とする者が、直接であると間接であるとを問わず、他の教科書の発行を業とする者またはその発行する教科書を中傷し、ひぼうし、その他不正な手段をもって、他の者の発行する教科書の使用または選択を妨害すること」と一致します(下線は引用者)。
 同告示第五号は2006年に廃止されましたが、上記条項が教科書業界においてはいわば慣習法として今も生きており、教科書協会の「教科書宣伝行動基準」が「直接であると間接であるとを問わず」「直接的、間接的にかかわらず」と不正な取引を規定していることからも明らかです。
 また文部科学省も、今年4月27日の初等中等教育局長による通知(28文科初第200号)において「いかなる理由があろうとも、自ら行うと第三者をしてであるとを問わず、他の教科書発行者及びその発行する教科書の内容に関する誹謗中傷を行わないこと」と述べていることからもわかります。
 なお、こうした教科書アンケートの不正活動は、大阪市教育委員会の内部において、育鵬社とそれ以外の教科書への支持が委員の間で拮抗し、僅差であったことから、育鵬社支持派が育鵬社・日本教育機構、さらにはフジ住宅が結託し、仕組んだものと考えられます(C-⑭)。
 
結語

 以上述べてきたように、育鵬社と日本教育再生機構は共同して独禁法第2条第9項第6号ハ「不当に競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、又は強制すること」の禁止に違反し、より具体的には公正取引委員会告示第15号「8 実際のもの又は競争者に係るものよりも著しく優良又は有利であると顧客に誤認させることにより、競争者の顧客を自己と取引するように不当に誘引」したものであり、ここに独禁法第20条に基づく排除措置を求めます。
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