枚方市教委に「2012年度使用中学校教科書の採択に関する要望と質問」

2012年度使用中学校教科書の採択に関する要望と質問

枚方市教育委員会教育長 様

2012年度から教科書の採択に向けて、教育委員会で採択過程に入っていることと思います。今年の中学校教科書採択は新学習指導要領になって初めての採択であり、どのような基準で教科書が採択されるのか、子どもたちの教育に直接関わる教員の意見がどのように反映されるのか、私たちは注視しています。
 また3月30日に公表された教科書検定結果では、2001年以降国内外から批判を浴びてきた新しい歴史教科書をつくる会(「つくる会」)が編集した自由社版歴史・公民教科書、日本教育再生機構及び改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会(「教科書改善の会」)が編集した育鵬社版歴史・公民教科書も検定に合格しました。さらに、文科省の強い指導のもとで全ての出版社で「竹島「尖閣諸島」に関わって日本政府の見解が記述されました。
 私たちは、憲法の理念や近隣諸国との友好関係を深める観点から、公正かつ民主的に教科書採択が行われるよう貴教育委員会に要望するとともに、その目的達成のために、以下の質問への回答を 2011年6月9日(木)に お願いいたします。

            要望書

1、大阪府教育委員会が作成する「教科書を調査研究する観点」には、従来から「人権の取り扱い」が項目に含まれています。大阪には、部落問題や在日外国人問題、障がい者問題などさまざまな人権に関わる問題があり、教育課題としても積極的に取り上げられてきたところです。そのため、「人権の取り扱い」は、大阪の教育にとって極めて重要な観点になると考えています。今年の中学校採択においても、貴教育委員会でも、この観点を重視するよう要望します。

2、1982年の教科書問題を発端にして文部省は、教科書検定基準の中に「近隣のアジア諸国との間の近現代史の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」という近隣諸国条項を設けました。当時の宮沢官房長官は、「過去において、我が国の行為が韓国・中国を含むアジアの国々の国民に多大の苦痛と損害を与えたことを深く自覚し、このようなことを二度と繰り返してはならないとの反省と決意の上に立って平和国家としての道を歩んで来た」とし、この精神が「我が国の学校教育、教科書の検定にあたっても、当然、尊重されるべきものである」と、「近隣諸国条項」を設けた主旨を説明しました。
 枚方市は中国長寧区や、王仁博士の故郷である韓国霊岩(よんあん)群と姉妹都市提携をし、菅原東小学校は同郡の鳩林(くりも)初等学校と交流し、国際理解と友好促進の精神を育てています。
「近隣諸国条項」は現在に至るまでアジアとの友好関係を発展させていくための重要な観点として維持されてきたところです。しかし、近年、教科書検定・採択において「近隣諸国条項」が軽視される傾向がみられます。
 これからの未来を担う子どもたちが、アジアと好関係をきづいていくことは極めて重要なことです。そのために正しい歴史認識を伝えていくことは教育の重要な役割です。私たちは、中学校教科書採択において「近隣諸国条項」を重視すべきだと考えています。
 枚方においても、在日韓国朝鮮人をはじめ多くの外国にルーツを持つ子どもたちが学校に通っています。近隣諸国との友好関係を発展させるために、自国中心の歴史認識ではなく、過去の日本の侵略と植民地支配を真摯に受け止める教育が必要です。アジアの人々の批判を受け止め、「近隣諸国条項」を枚方市の採択基準に入れるように要望します。

3、貴教育委員会には、「愛国心」に繋がる目標がありますか。そこには「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」が同時に明記され、偏狭なナショナリズムを喚起する教科書が何をもたらしたのか、戦前の教育が明瞭に示しているかです。貴委員会でも教科書選定にあたって、偏狭なナショナリズムに繋がる「愛国心」を採択基準に加えないよう要望します。

4、教科書採択に当たっては、現場の教職員の意見を十分に聞き、それを教科書採択に反映すべきです。1997年3月28日「規制緩和推進計画の再改定について(閣議決定)」の中でも、教科書の採択制度について「将来的には学校単位の採択の実現に向けて検討していく必要があるとの観点に立ち、当面の措置として、教科書採択の調査研究により多くの教員の意向が反映されるよう、現行の採択地区の小規模化や採択方法の工夫改善についての都道府県の取り組みを促す。」ことが明記されています。以後毎年、同様の閣議決定がなされています。
 そのような閣議決定に反しかせ山哲男教育長(当時)は、「教職員の投票による採択や恣意的な絞り込み、順位づけをしての採択は、あってはならない。」(2008年12月11日府議会定例会)と答弁しています。貴教育委員会においては、上記の閣議決定を重視し、「多くの教員の意向が反映される」採択方法を指導・助言するように要望します。さらに、教員の意向を十分反映するために、学校単位の採択をめざすように要望します。

5、次の質問にも回答をお願いします。
 (1)中学校教科書採択の選考手続き、日程について
  (2)中学校教科書の各教科用図書調査委員名、選定委員会委員名、選定委員会の日時と 場所。
 (3)検定本の枚方市での展示、閲覧期間の日時と場所
 (4)前回は展示会場で、市民の意見を聴衆する自由記入の用紙を収集しましたが、それがどのように採択に反映されましたか。また今回はどうされるのですか。


                                       2011年5月31日

                           平和都市ひらかたを考える市民の会
                           Dサポーターズ(教育の自由を取り戻す会)
                           子どもたちに渡すな危ない教科書・大阪の会
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私も近隣諸国との平和共存と友好を心から望む者です。みなさまの戦争のない平和な世界建設への志を否定するものではありません。
しかしながら自国をいたずらに貶める教科書を採択することが必ずしも平和につながることではないと考えます。中国や北朝鮮の方々と仲良くしたいとは思いますが、両国の政治体制は自国民には極端な人権抑圧を行い、近隣には明らかに侵略意図を持っています。戦前の日本に侵略主義が一部あったのは事実としても、他国の悪しき行動にも言うべきことを言えてこそ、はじめて大人同士の交流、成熟した近隣関係を築くことが出来ますし、結果として平和が訪れると思います。その意味では育鵬社の社会科教科書が最もすぐれていると考えます。

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