栃木県大田原市教委が育鵬社を継続採択!抗議の声を上げてください!

7月15日、栃木県大田原市教育委員会が開催され、教育委員の投票によって、4:2で育鵬社版歴史と公民が採択されました。
大田原市教育委員会は、05年、09年(以上は扶桑社)11年(育鵬社)に続いて、4回連続で「つくる会」系教科書を採択しました。

以下、自由法曹団からの抗議声明です。

栃木県大田原市教育委員会が育鵬社版歴史・公民教科書を採択したことに抗議し、採択のやり直しを求める

 本年7月15日、栃木県大田原市教育委員会は、市立中等学校で2016年度から4年間使用する歴史及び公民教科書に育鵬社版教科書を採択した。
 育鵬社版の歴史教科書は、「自虐史観」からの脱却を唱え、日本の引き起こしたアジア太平洋戦争が、アジア諸国の独立につながったと教え、日本の加害責任については曖昧な記述にとどまっている。また、同公民教科書は、国民主権よりも天皇の役割を情緒的に強調し、基本的人権を軽視して、日本国憲法及び平和主義を連合国から押し付けられた憲法であって「改正」すべきものであるかのように教え、国際紛争の平和的な解決よりも、自衛隊を海外に派遣する必要性を強調する内容となっている。
このような育鵬社の歴史・公民教科書に対しては、その記述に多くの誤りを含むものであるとともに、憲法に対する見方があまりにも一面的で教育基本法や学習指導要領に照らしても問題があるとして、多数の有識者や市民がその採択に反対の声をあげている。大田原市は、前回の教科書採択でも育鵬社版歴史・公民教科書を採択したが、これに対しても市民から強く批判がなされ、自由法曹団も抗議を行った。今回の採択は、かかる批判・反対の声を全く無視して行われたものであり、遺憾である。
 中学生という時期は、人格的成長の途上の重要な時期にあり、未だ批判能力が十分に育っているわけではない。中学生への歴史や公民の授業において、育鵬社版教科書が使用されることになれば、上記のような一面的で偏った教育が行われることになり、生徒に回復しがたい重大な悪影響が及ぼされることが強く危惧される。
 また、義務教育を修了させ、将来の主権者を育てる教育を行うという中学校の位置づけからしても、憲法について偏った記述が多い同教科書の使用は不適切といわざるを得ない。
 さらに、日本の侵略戦争の事実の否定し、国際問題の平和的な解決を軽視する教科書による学習を強いられる生徒がいることは、日本の将来に重大な問題を引き起こし、国内はもちろん、アジア近隣諸国からも厳しい批判を受けることは確実である。
 われわれ自由法曹団は、栃木県大田原市教育委員会の今回の歴史・公民教科書の採択に対し抗議するとともに、同教委育委員会に対し、改めて採択をやり直し、育鵬社教科書を採択しないよう求めるものである。
                          2015年7月16日
                           自由法曹団
                           団長荒井新二
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