2014年小学校・高校採択についての質問と大阪市教委の回答

6月30日付で大阪市教委から当会への質問事項について、文書回答がありました。内容を読めば、様々な矛盾があります。7月中に大阪市教委との交渉の場を持ちたいと思います。

2014年小学校・高校採択についての質問と大阪市教委の回答

(小学校採択に関して)
1.国会での教育委員会制度改革の議論においても首長による教科書採択への介入には強い懸念が示されているところである。しかし、「選定委員会規則」の中では、選定委員は「教育委員会が市長の意見を聴いて任命」と規定し、さらには選定委員に公募区長を加えるとしている。これらは、人事を通した教科書採択への政治介入そのものである。これらの規定は、教育の「政治的中立性」に反すると考えるが、貴教育委員会の見解を明らかにせよ。

(回答)
 「執行機関の附属機関に関する条例」により、大阪市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会は、教育委員会の附属機関と定められたため、いわゆる審議会として設置及び運営することとなっており、大阪市では「審議会等の設置及び運営に関する指針」を定め、「第8 総務局長との調整及び報告等 1局長等は、その所管に係る審議会等の設置等及び委員の選任(再任)に当たり、局内の調整を図るとともに、事前に総務局長と調整を行うこと。2 局長等は、その所管に係る審議会等の設置等並びに統廃合及び委員の任免がなされたときは、速やかにその旨を総務局長に報告するものとする。」とされております。これらに則り、大阪市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会の設置及び運営においては、市長部局である総務局に事前調整や報告が必要であることから、「大阪市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会規則」の「第2条第2項 委員は、次に掲げる者のうちから教育委員会が市長の意見を聴いて任命し、又は委嘱する。」と示されております。
 また、大阪市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会規則にある選定委員会の委員として挙げている区担当理事については、「区長」としての立場で任命するものではなく、教育委員会事務局区担当理事として任命しております。            
 上記のことから、これらについては、教育の「政治的中立性」については、担保されているものと考えております。


2.選定委員会「答申」は、どのような様式に基づいて行うのか。専門調調査会、学校調査会の調査研究報告が反映される形式になっているのか。

(回答)
 大阪市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会の答申の様式につきましては、種目・発行者ごとに「調査の観点」に基づいて項目を定め、「特にすぐれている点」「特に工夫・配慮を要する点」について、文章で表記するものとなっており、専門調査会や学校調査会においても、同様の様式による報告としていることから、各調査会の調査研究が反映されるものとなっております。


3.専門調査会の位置づけ、役割が不透明である。「選定委員会規則」には、全く規定されていない。どのような位置づけなのか明らかにせよ。また、その構成を明らかにせよ。

(回答)
 各種目の専門調査会の役割につきましては、より専門的な立場からの義務教育諸学校における教科書についての調査研究を行うものとしております。
 「大阪市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会規則」の第6条(調査員)に「(選定)委員会は、専門的な調査検討を行うため、調査員を置くものとする。」と定めており、この選定委員会の各種目の調査員を総じて専門調査会と呼んでおります。また、第2項に「調査員は、学校の校長及び教員のうちから、(選定委員会)委員長が任命する。」と、その構成を示しております。


4.学校調査会の位置づけ、役割も不透明である。全学校に設置されるのか。全教員が調査員となるのか。学校調査会はどのような形式の「報告」をあげることになているのか。2010年小学校採択と同様に重視されると考えて良いか。

(回答)
 学校調査会では、「教員は教科書の調査研究を行い、それらをもとに学校長は所定の様式により、選定委員会に報告する」としております。また、全学校に設置し、全教員を調査員としておりますが、「大阪市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会規則」に準じて、直接の利害関係を有する者は、調査員から除くこととしております。
 学校調査会の報告の形式につきましては、種目・発行者ごとに「調査の観点」に基づいて項目を定め、「特にすぐれている点」「特に工夫・配慮を要する点」について、文章で表記するものとなっております。


(高等学校採択に関して)
 5月27日の教育委員会議では「附帯決議」に基づいてどのように具体的な制度設計を行っているか、全く分からない。あまりにもズサン、無責任である。そこで「附帯決議」に即して具体的に質問する。

1.「附帯決議」には、「各学校に置く教科用図書選定調査会は、選定候補として2つ以上の教科用図書を答申書に記載し、それぞれの長所と短所を列記することとし、推薦順位や優劣は示さないものとする。」とあるとしている。
(1)教育委員は「推薦順位や優劣」がつけられていない選定候補の中からどのような基準と調査によって採択を行うのか。専門性の高い高校教科において、教育委員が十分な調査研究に基づき採択を行うことが可能か。
(2)採択が教育委員のお好みではなく、客観的基準と調査によってなされたことの説明責任をどのようにして果たすつもりか。

(回答)
(1)本市の高等学校はさまざまな学科を設置し、それぞれ多様な教育課程により教育活動を展開しています。このため、各校においては設置学科の教育目標や保護者及び生徒の意見を踏まえながら、生徒の興味・関心・適性・進路希望等の実態に応じた適切な教科用図書を選定し、答申書にその選定理由を記載します。

(2)採択にあたっては、各学校に設置される教科用図書選定調査会の答申に基づき教育委員会が行います。選定調査会では、調査及び研究の公正性・透明性を確保するため、当該学校の生徒・保護者の意見を聴き、それを踏まえて意見を答申するものとしており、教育委員会において採択後、その内容を公表することとしています。


2.「附帯決議」には、「教育委員会は、答申書を参考にしつつ、自ら調査研究を行い、教科用図書を採択するものとする。」とある。しかし、教育委員による調査研究の仕方が全く不透明である。
(1)教育委員の「調査研究」期間を明らかにせよ。教育委員の調査方法を明らかにせよ。
(2)今年度採択対象になる教科書は977点である。その内、今年度新たに検定合格した教科書は71点である。教育委員の調査対象は、採択対象になる教科書すべてか。
(3)大阪市教委には、今年度検定合格した見本本が各1冊ずつしか届いていない。そのような中で、すべての教育委員がどのようにして「自ら調査研究」できるのか。しかも昨年4月に任命された西村委員は、昨年4月~12月まで教育委員会議の出席率が半分にも満たない(29回中13回しか出席していない)。このような状況で、すべての教育委員が責任を持て「調査研究」できると言えるのか。

(回答)
(1)7月中旬に各学校の選定調査会から答申がなされた後、7月下旬に教育委員会で採択する予定です。調査は、各校の選定調査会からの答申書、見本本の閲覧、教科書編集趣意書等の資料に基づいて行います。

(2)全校の全種目について、平等に調査研究を行うことは合理的ではないため、教科や科目、観点を絞り調査研究を行います。

(3)教科書の採択の公正確保の観点から、高等学校を設置する市町村教育委員会への発行者による見本の送付は各1部となっております。調査研究に支障が出る場合には、教科書センター等から貸し出しを受ける等の対応を行います。


3.「附帯決議」には、「各学校に置く教科用図書選定調査会による答申と教育委員会による採択の間に、これまで以上に十分な調査研究及び審議の時間を確保するものとする。」とある。5月27日の教育委員会議では、採択の流れとして7月中旬に「教育委員会へ答申」がなされ、7月下旬には教育委員会の採択が行われるとなっている。たった半月の間に、どのようにして「十分な調査研究及び審議の時間を確保」するつもりなのか。具体的に明らかにせよ。

(回答)
 採択にあたっては、選定調査会からの答申書、見本本の閲覧、教科書編集趣意書等の資料に基づいて行います。選定調査会からの答申は7月中旬になされますが、見本本、編集趣意書等の資料は現在閲覧可能であります。
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