情報公開で大阪市の小学校採択制度の問題点が浮き彫りに!
今年の大阪市の小学校教科書採択について、現時点で情報公開によっていろいろと問題点が明らかになってきました。
各地に共通する部分や橋下改革独特の部分もあると思います。
(1)橋下市長が選定委員の任命に介入。橋下市長が選んだ公募区長も選定委員に!
今回、選定委員会規則を新たに定め、そこでは、選定委員について「次にあげる者のうちから教育委員会が市長の意見を聴いて任命し」とあり、選定委員の任命に市長が深く関わることになっています。このような文言が入ったのは初めてです。しかも委員の構成を見れば、区担当理事=橋下市長が選んだ公募区長も含まれることになっています。人事を通した政治介入そのものです。
(2)調査研究の観点が大阪教育条例、大阪市教育振興基本計画に準拠し、「愛国心」が追加。
◇調査研究の留意点には、以下の規定がつく加わりました。
「教育基本法、学校教育法、大阪市教育行政基本条例、大阪市立学校活性化条例、大阪市教育振興基本計画に示された基本的な目標に基づいて研究調査すること」
「全国学力・学習状況調査、全国体力・運動能力、運動習慣等調査における大阪市の成果と課題に基づいて調査研究をすること」
上記の2点は、橋下市長が教育へ介入し、強く押し進めている課題であり、大阪市の教科書採択の調査の観点が根本的に政治によって決められた目標に合わせて行われることになります。
これは重大なことです。
◇これらに基づいて調査の観点も大幅に変わりました。
2010年採択と比べてみると、社会科では以下のようになっています。
追加された項目は、大阪教育条例と大阪市教育振興基本計画に記載されている事柄をそのまま採用していることが分かります。
(追加された項目)
○自由と規範意識、権利と義務を重んじ、自己の判断と責任で道を切り拓き、真理と正義を求め、公共の精神を尊び、グローバル化が進む国際社会の中で生き抜く資質や能力を身につけるよう配慮されているか。
○我が国の郷土の伝統と文化を尊重し、国や郷土に対する理解と愛情を深めることができるように配慮されているか。
○社会的事象にかかわる人々の様子や思い、工夫や努力などについて理解を深めることができるように配慮されているか。
○防災や安全について考えることができるよう工夫されているか。
○社会的・職業的自立に向け、勤労観・職業観を育成するよう配慮されているか。
(削除された項目)
○人間尊重の精神に基づいて作成されているか。
(3)学校調査会の完全な空洞化。学校希望を事実上廃止!
2010年採択時には、すべての学校に学校調査会を設置し、すべての教員が調査員となり、すべての教科に渡って調査研究していました。すべての教科書についてABCで絶対評価を行い報告します。選定委員会は、A5点、B3点、C1点で点数化し、その平均を出し、各学校での調査を教科書会社ごとに点数化していました。これは、学校がどの教科書を評価しているか、一目瞭然の調査方法であった。
しかし、今年からは大阪市の採択地区が全市1採択地区化したことにより、大幅に制度が変わりました。すなわち、学校に学校調査会を設置するものの、全教員が参加する必要も無く、全教科について調査する必要もなくなっていました。各学校がどの教科を調査したいか、勝手に決めて調査を行うことになっています。しかも、各教科書会社ごとに文章で「特に優れている点」「特に工夫・配慮を要する点」を報告するだけであり、優劣をつけません。学校としての採択希望が全く分からないあいまいな報告となっています。市教委は、各学校は調査したい項目だけ勝手に調査し、報告をあげろ、ただし、採択希望を明確にするなと言っているようなもので学校調査の軽視、事実上採択に全く効力を発揮できない状況になっています。
これに加えて、大阪市の教育委員会は以下のような深刻な橋下支配の状況にあります。
◆橋下市長の意向により、次々公募で教育委員を任命。そして教育委員会は完全に橋下支配。
◇橋下市長が公募で選んだ教育委員
・大森不二雄:元文部官僚で『「ゆとり教育」亡国論』の著者
教育政策ネットワークの代表幹事
・西村和雄:2000年当初から学力低下批判の急先鋒。著書に「分数ができない大学生」
教育政策ネットワークの代表幹事
・林園美:株式会社Z会で勤務経験。現在、日本公文教育研究会勤務
◇橋下市長以前から日本教育再生機構に近い教育委員
・高尾元久:産経新聞社大阪本社嘱託業務アドバイザー
日本教育再生機構「教育再生」に何度も寄稿
◇橋下市長が公募以外で任命した教育委員
・山本晋次(教育長):市政改革室理事などを歴任
・帯野久美子:株式会社インターアクト・ジャパン代表取締役
(大阪府とも取引のある英語教材作成、翻訳・通訳の会社。)
教育委員会制度改悪に関わる中央教育審議会の委員。
各地に共通する部分や橋下改革独特の部分もあると思います。
(1)橋下市長が選定委員の任命に介入。橋下市長が選んだ公募区長も選定委員に!
今回、選定委員会規則を新たに定め、そこでは、選定委員について「次にあげる者のうちから教育委員会が市長の意見を聴いて任命し」とあり、選定委員の任命に市長が深く関わることになっています。このような文言が入ったのは初めてです。しかも委員の構成を見れば、区担当理事=橋下市長が選んだ公募区長も含まれることになっています。人事を通した政治介入そのものです。
(2)調査研究の観点が大阪教育条例、大阪市教育振興基本計画に準拠し、「愛国心」が追加。
◇調査研究の留意点には、以下の規定がつく加わりました。
「教育基本法、学校教育法、大阪市教育行政基本条例、大阪市立学校活性化条例、大阪市教育振興基本計画に示された基本的な目標に基づいて研究調査すること」
「全国学力・学習状況調査、全国体力・運動能力、運動習慣等調査における大阪市の成果と課題に基づいて調査研究をすること」
上記の2点は、橋下市長が教育へ介入し、強く押し進めている課題であり、大阪市の教科書採択の調査の観点が根本的に政治によって決められた目標に合わせて行われることになります。
これは重大なことです。
◇これらに基づいて調査の観点も大幅に変わりました。
2010年採択と比べてみると、社会科では以下のようになっています。
追加された項目は、大阪教育条例と大阪市教育振興基本計画に記載されている事柄をそのまま採用していることが分かります。
(追加された項目)
○自由と規範意識、権利と義務を重んじ、自己の判断と責任で道を切り拓き、真理と正義を求め、公共の精神を尊び、グローバル化が進む国際社会の中で生き抜く資質や能力を身につけるよう配慮されているか。
○我が国の郷土の伝統と文化を尊重し、国や郷土に対する理解と愛情を深めることができるように配慮されているか。
○社会的事象にかかわる人々の様子や思い、工夫や努力などについて理解を深めることができるように配慮されているか。
○防災や安全について考えることができるよう工夫されているか。
○社会的・職業的自立に向け、勤労観・職業観を育成するよう配慮されているか。
(削除された項目)
○人間尊重の精神に基づいて作成されているか。
(3)学校調査会の完全な空洞化。学校希望を事実上廃止!
2010年採択時には、すべての学校に学校調査会を設置し、すべての教員が調査員となり、すべての教科に渡って調査研究していました。すべての教科書についてABCで絶対評価を行い報告します。選定委員会は、A5点、B3点、C1点で点数化し、その平均を出し、各学校での調査を教科書会社ごとに点数化していました。これは、学校がどの教科書を評価しているか、一目瞭然の調査方法であった。
しかし、今年からは大阪市の採択地区が全市1採択地区化したことにより、大幅に制度が変わりました。すなわち、学校に学校調査会を設置するものの、全教員が参加する必要も無く、全教科について調査する必要もなくなっていました。各学校がどの教科を調査したいか、勝手に決めて調査を行うことになっています。しかも、各教科書会社ごとに文章で「特に優れている点」「特に工夫・配慮を要する点」を報告するだけであり、優劣をつけません。学校としての採択希望が全く分からないあいまいな報告となっています。市教委は、各学校は調査したい項目だけ勝手に調査し、報告をあげろ、ただし、採択希望を明確にするなと言っているようなもので学校調査の軽視、事実上採択に全く効力を発揮できない状況になっています。
これに加えて、大阪市の教育委員会は以下のような深刻な橋下支配の状況にあります。
◆橋下市長の意向により、次々公募で教育委員を任命。そして教育委員会は完全に橋下支配。
◇橋下市長が公募で選んだ教育委員
・大森不二雄:元文部官僚で『「ゆとり教育」亡国論』の著者
教育政策ネットワークの代表幹事
・西村和雄:2000年当初から学力低下批判の急先鋒。著書に「分数ができない大学生」
教育政策ネットワークの代表幹事
・林園美:株式会社Z会で勤務経験。現在、日本公文教育研究会勤務
◇橋下市長以前から日本教育再生機構に近い教育委員
・高尾元久:産経新聞社大阪本社嘱託業務アドバイザー
日本教育再生機構「教育再生」に何度も寄稿
◇橋下市長が公募以外で任命した教育委員
・山本晋次(教育長):市政改革室理事などを歴任
・帯野久美子:株式会社インターアクト・ジャパン代表取締役
(大阪府とも取引のある英語教材作成、翻訳・通訳の会社。)
教育委員会制度改悪に関わる中央教育審議会の委員。
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