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6.8大阪市会教育子ども委員会の報告

6月8日におこなわれた大阪市会教育子ども委員会の報告をいたします。

この日の委員会に向けて私たち「子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会」は新たな陳情書を提出しました。5月19日の委員会で「大阪市教科書アンケートの不正疑惑の真相究明のための第三者委員会の設置を求める陳情書」が採択されたことにふまえて、「第三者委員会が公正な真相究明ができるように広く市民から情報を収集することを求める陳情書」を提出し、この日はこの陳情書にもとづいて審議がおこなわれました。

結論から報告しますと、陳情書は採択されず継続審議となりましたが、第三者委員会のメンバーとして、すでに設置されている大阪市の外部監察チーム(肩書は特別参与。12名すべてが弁護士。これまで桜ノ宮高校事件や最近のいじめ事件、交通局問題などを調査)から複数の委員が出、さらにそれ以外に教科書問題など教育に詳しい弁護士を新たに加えて第三者委員会を構成することが決まりました。

まったくの新しいメンバーで第三者委員会を作ろうとすると条例改正が必要であり、9月議会で条例を改正し(7月、8月は議会が休会になるため)、調査は10月以降になることから、「スピード感をもって速やかに実施する必要がある」という議員の判断にもとづくもので、私たちも了解しました。

第三者委員会に新たなメンバーを入れる件については、自民党の永井議員が追及してくれました。

<永井議員>今回は教科書問題という特殊な教育行政案件なので、それに精通した弁護士が必要であり、専門知識を持った人に入ってもらった方がいい。

<飯田総務課長>今回の件は教育委員会、教科書会社、一般会社が関係するこれまでとは違う案件であることは認識している。より精通した人を入れる。

<永井議員>調査の報告は委員会ですること。これまでの調査が不十分だという市民団体の指摘は当然だ。教育委員会の態勢、考え方などについての心配をすべて払拭してほしい。

<山本教育長>指摘を重く受け止める。速やかに調査を開始できるようにする。第三者委員会には全面的に協力し、結果は真摯に受け止める。

次に公明党の佐々木議員が、私たちの「市民から情報を収集する」という陳情書の趣旨を、実質上受け入れさせるような追及をしてくれました。

<佐々木議員>東京都舛添知事の第三者の調査は不十分だった。法律に違反していなかったら何をしてもいいのか。5月19日の委員会では、採択過程の問題について細かな指摘があったが、市教委の返答は「不正とまではいえない」というものだった。「違法ではない」ではなく、誰もが納得できるものを求めている。これまでの事務局の調査はいいかげんだった。馳文科大臣は大阪市から依頼があれば教科書会社を調査すると言っているのだから、ただちに依頼すべきだ。

<高橋中学校教育担当課長>文科省からは一般的には大阪市が対応すべきだといわれている。第三者委員会の進展によっては文科省と密な連絡を取る。

<佐々木議員>内外から広く情報を集めるべきだ。伝わっていない情報があればちゃんと調査できない。市には市民からの声を受けつける機関もある。

<高橋課長>第三者委員会には本日の審議を伝える。情報収集にも教育委員会として協力する。

<佐々木議員>持っている情報を包み隠さず出すべきだ。新事実がいきなり出てきたらどうするのか。

<蕨野次長>判明したら第三者委員会に報告する。必要に応じて議会にも報告する。

<佐々木議員>陳情書の趣旨を尊重して広く内外から情報を収集するべきだ。

また共産党の江川議員は吉村市長に答弁を求めてくれました。

<江川議員>市教委の「調査」は育鵬社・日本教育再生機構・会社ぐるみの不正について解明されていない。採択制度の変更を含む問題についても調査されていない。文科大臣の答弁を足蹴にしている。不十分だったので5月19日に第三者委員会の設置が決まった。第三者委員会設置の責任者は市長だ。

<吉村市長>第三者委員会設置の陳情書の採択は重く受け止めている。教育委員会の調査は適正に行われたと思っているが、第三者の立場で客観的公正を期すのは必要だ。すぐに着手するのが大事だ。今ある外部監察チームを活用するのが適切だが、今回の問題の特殊性もあるので新たな委員を入れる。


今回の審議によって、第三者委員会がこれまでの市教委事務局による調査とは異なる調査をせざるをえないことは約束させることができました。今後はフジ住宅内部資料をはじめとする重要な資料を第三者委員会に提供し、それに基づいて審議させることが需要になります。

私たちは6月13日(月)に、市教委交渉を予定しています。これはもともとは、私たちが昨年の育鵬社教科書採択の問題点を全面的にかつ詳細に指摘した質問書に対する回答が極めてずさんなものであったことについて追及するために設定したものですが、現時点では6月8日の教育子ども委員会の審議にふまえて、第三者委員会による真相調査にとって重要な資料を提供し、市教委事務局に第三者委員会でこの資料を共有することを約束させること、市教委事務局の「調査」のずさんさを具体的に指摘し、第三者委員会での審議の参考にさせることが最大の目標になります。

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6/8大阪市会・教育子ども委員会の傍聴を!

5月19日の教育子ども委員会で阪市の育鵬社教科書採択疑惑について第三者委員会による徹底した真相究明を求める陳情書が採択されました。6月8日、新しいメンバーによる大阪市会・教育子ども委員会が開かれます。その場に、第三者委員会がフジ住宅、文科省、市教委、市民から幅広く情報を収集し、調査を行うよう求める陳情書を提出しました。一歩一歩大阪市教委と育鵬社を追い込むための陳情書です。

ぜひ、教育子ども委員会を傍聴してください。
■日時 6月8日(水)13:00
■場所 大阪市役所P1階傍聴受付
■傍聴受付 傍聴を希望する方は、12:30から先着順です。

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大阪市の育鵬社教科書採択にまつわる不正疑惑を調査する第三者委員会に関する陳情書
                             平成28年5月31日
大阪市会議長 木下 誠様
            子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会 上杉聰
                                
[陳情趣旨]
 大阪市会教育こども委員会におかれましては、先の5月19日の会議において、私どもの「大阪市の育鵬社教科書採択にまつわる不正疑惑を調査する第三者委員会の設置を求める陳情書」(第65号)を採択していただき、誠にありがとうございました。現在、その第三者委員会をどのような形で設置するか検討されていると思います。その場合、「全会派・市民が納得できる方をもって構成」してくださいと私どもが合わせてお願いした内容も実現していただけるものと確信しています。そして次の課題として、不正疑惑の調査が公正で客観的なものとなるよう、以下要請します。
 5月19日の教育こども委員会で報告された市教委による調査がいかにずさんであったかは、当日の審議から明らかですが、あえてここで繰り返すならば、まず大阪市教委自身が隠し持っている重要な情報、たとえば、昨年8月5日の教育委員会会議の冒頭において、誰の指示により担当部長がアンケート数値を口頭発表したのか、今年3月23日の教育こども委員会で議員から厳しい追究があったにもかかわらず、ついに明らかにしませんでした。
 さらに育鵬社への調査も、馳浩文部科学大臣が3月8日の記者会見において「育鵬社に対しては猛省を促したい…(大阪市)教育委員会から申し出などがあれば、育鵬社に対する事実関係の確認など、必要な対応をとることとしたい」と述べておられるにもかかわらず、その申し出をせず、市教委から育鵬社へ直接電話で問い合わせる程度のことしかしませんでした。
 そして、不正な採択運動を行ったフジ住宅に対しては、すでに多数の資料が、関係者の手によって一般に公開されているにもかかわらず、まったく何の調査も行っていません。
 したがって、やがて設置される第三者委員会におかれましては、こうしたやり方を改め、主体的で客観的な調査をしていただくため、大阪市教育委員会の内外から事実情報を可能な限り集めていただくことが鍵になると思います。ただし、第三者委員会には強制捜査の権限までは存在しませんので、その限界を補うため、調査の開始にあたり、育鵬社の教科書採択に関する不正問題につき、教育委員会等の内部告発を含め、一定期間広く情報を求める趣旨を徹底していただき、ファックスやメール、電話、郵便などを受けつける態勢を冒頭の時期にとり、それらの情報を受け入れた上で、改めて主体的な判断へと移っていただきたいと思います。
 
[陳情項目]
 育鵬社教科書の採択疑惑に関する真相究明のための第三者委員会は、文部科学省をはじめ大阪市教育委員会や当該する関係各社・団体・個人に広く関連情報をもとめ、それらを受け入れる態勢を冒頭の一定期間とった上で本格的な調査を開始してください。


5.19大阪市会教育子ども委員会の報告

昨日、大阪市会教育子ども委員会で、第三者委員会設置を求める陳情書が採択されました。その記事が朝日新聞と読売新聞に掲載されましたので添付します。またその2日前には共同通信が報道し、一部の地方新聞に掲載されましたので、四国新聞の記事も添付します。念のため私たちが出した陳情書も添付しておきます。

昨日の審議について、速報に続き詳細を報告いたします。


昨日、私たち「子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会」が提出した「大阪市の育鵬社教科書採択にまつわる不正疑惑を調査する第三者委員会の設置を求める陳情書」が、大阪市会教育子ども委員会において採択されました。

北野議員(自民党)、西崎議員(公明党)、江川議員(共産党)の三議員がそれぞれの観点で、市教委を追及してくれました。

2月23日に「真相究明を求める陳情書」が採択されているので、山本教育長(注・今年の4月から新教育委員会制度に代わっているので、教育長が最高責任者)が、市教委がおこなった「調査」の結果を報告するところから審議は始まりました。

<山本教育長>

① 事務局に尋ねたが、「アンケートが決め手」という事実はなかった。

② 育鵬社に電話して確認したが、育鵬社側に「アンケートが決め手」という認識はなかったとのことだった。

③ 育鵬社に「アンケートが決め手」という情報が流出したということもない。

④ アンケートには重複がかなりあったが、他市10都市へのヒアリングでも重複・持ち帰りはかなりあったとのことだった。

⑤ 議事運営についての調査もしたが、歴史・公民とも4対2で採択されており、「アンケートが決め手」という事実はなかった。

⑥ 採択は公正適正におこなわれた。アンケートの実施方法、集約方法ともに問題はなかった。

この山本教育長の答弁にもとづいて議員の質疑が行われました。

<北野議員>3月23日の教育子ども委員会でも明解な答弁はなかった。2月23日に真相究明の陳情書が採択された。思いミッションだったはずだ。今の教育長の説明では納得できない。このメンバーでの最後の委員会なので、しっかり回答してほしい。(注・大阪市会の常任委員会は5月末が委員の交代の時期。6月以降はメンバーが変わる可能性がある)

<高橋中学校教育担当課長>アンケートの実施方法、集約、採択すべて問題なかった。

<北野議員>具体が聞きたい。誰をどのように調査したのか?議会は調査権ある。うやむやにはできない。大森委員長は突然やめた。報告で具体的に示していないのはどういうことか?

<高橋課長>口頭で報告することになった。

議員席から「あかんやろ!」の声。

<北野議員>国も動いている。省令改正によって不正があればやり直しもある。不公正、疑惑で採択やり直しになったらどうするつもりか?

<高橋課長>省令改正のことは認識している。不正はないので採択やり直しはない。

<北野議員>グレーはグレーだ。白ではない。非公開の教育委員協議会の内容はわからない。だから第三者委員会しかない。異例の付帯決議で補助教材を決め、1000万円かけた。ルールがあいまい。事前の説明も不十分だった。市教委には徹底究明できない。自浄能力ない。

<高橋課長>採択は公正適正にやった。できる限りの調査をやった。

<北野委員>教育委員会にはもう無理だ。弁護士を含めてやるしかない。非公開の教育委員協議会でやった内容も公開させる。今回のやり方は教科書の内容ではなく、手順がおかしかった。まず第三者委員会の設置の採択をしてほしい。

<西崎委員>「真相調査」の内容には到底納得できない。文科大臣が「育鵬社に猛省を促す。大阪市から依頼があれば協力する」と言っている。加藤指導部長は前回、真相究明の陳情書の採択を「重く受け止めている」と言っていた。文科大臣の発言についてどう考えるのか?

<高橋課長>特段の問題はなかったので、それを文科省に報告する。

<西崎議員>文科省と協力すると言っているので、少しは進んだかと思う。8月5日の採択会議では歴史・公民のみアンケート結果を報告したが、これへの説明は不十分だ。8地区から1区に変更したこともおかしい。「アンケートが決め手」ではないというが、フジ住宅の内部資料によれば、「アンケートに育鵬社が多ければ採択の可能性がある」と書かれている。文科省通達の「保護者などの意見を聞く」というのはPTAなどに属する保護者のことで、広く市民に聞くということではない。
選定委員会のことだが、まだアンケートが終わっていないにもかかわらず「アンケートを参考に」という発言があったことも問題だ。また、ある区長が24人の区長を代表して選定委員になっていたが、平成23年に日本教育再生機構の支部長会議に出て「これからも日本教育再生機構でがんばります」とブログに書いている。日本教育再生機構の機関紙『教育再生』には「あなたのまちにも育鵬社教科書を」と書かれており、日本教育再生機構は育鵬社教科書の執筆陣を提供し、はなばなしく採択運動をしている。育鵬社教科書の執筆者は日本教育再生機構の役員で、執筆者には印税が入る。日本教育再生機構は直接の関係者だ。採択に関わる者は「利害関係者ではない」という誓約書を書いているはずだ。市教委が市民団体に、区長と日本教育再生機構との関係について「確認する必要はない」と答えているのはおかしい。第三者委員会を設置して真相究明を徹底すべきだ。

<高橋課長>採択に問題はなかった。

<西崎議員>いじめ事案については第三者委員会を市長部局につくった。これを参考にしてほしい。教科書会社への調査は文科省と協力してやってほしい。

<江川議員>予想よりひどい報告だった。普通究明は1か月くらいでやるものなのに、市長も重く受け止めた結果がこれか。自分が議員になってから教育子ども委員会でこんな徹底究明の採択は初めてだった。重く受け止めるといいながらこれは許せない。いじめについてはちゃんと文書で報告されている。

<山本教育長>「書面で出すべき」という指摘に対しては反省する。しかし事務局の調査なので簡潔にならざるをえない。口頭で述べた範囲がすべてだ。

議員席から「議会軽視!」の声。

<江川議員>「なめんのもいいかげんにしろ」と言いたい。3か月もたった。市民団体はボランティアで寝食忘れて調査した。あんたたちは何をやっているのか。われわれの任期切れを待っているのか?5月末までにはかならず報告してほしい。この問題はたんなる不正ではない。採択制度を根底からゆるがす悪事だ。フジ住宅は企業ぐるみで不正をやった。反社会的だ。舛添と同じだ。1億円程度の金が動く問題だ。文科省が「保護者市民の意見の反映を」というのはこういうことではない。教育委員会の答弁はこんな不正があってもあたりまえという答弁だった。


この後、起立で採決し、自民党、公明党、共産党の賛成で第三者委員会の設置を求める陳情書が採択されました。

この日は、いったん辞任したはずの大森教育委員長が市長の特別顧問に就任した件について、特別顧問を要請した市長への追及がおこなわれ、大森特別顧問は教育委員会には出席しないこと、総合教育会議で意見を求められた時だけ発言できることなどが確認されました。また、大阪市立デザイン研究所の民営化問題、学校安心ルール問題などについて教育委員会に対する厳しい追及があり、白熱した審議がおこなわれました。教科書採択問題をはじめとして、橋下市長の教育政策が今検証されているといえます。維新の議員は委員会の最大多数派ですが、終始さえない表情でした。



速報!大阪市議会は教科書アンケート不正疑惑で第三者委員会の設置を決定!

速報です。

大阪市の教科書アンケート不正疑惑追及は新たなステージへ入りました。
5月19日の大阪市議会・教育子ども委員会は、市教委の口頭での「問題なし」の報告を認めず、
第三者委員会を設置して徹底調査を求める陳情書を自民・公明・共産の賛成(維新は反対)で採択しました。


明日の大阪市会・教育子ども委員会で教科書アンケート疑惑を調査する第三者委員会の設置を求める陳情書が可決の可能性高まる!

大阪市での教科書アンケート不正疑惑の真相究明に関して市教委が市議会にアリバイ的な「真相究明の結果」をだし、この問題の幕引きをはかろうとしていることが明らかとなりました。
それを受けて、明日の大阪市議会・教育子ども委員会では、私たちが提出した「大阪市の育鵬社教科書採択にまつわる不正疑惑を調査する第三者委員会の設置を求める陳情書」の採択の可能性が高くなりました。
明日の教育子ども委員会は、大阪市教委の教科書アンケート不正疑惑をうやむやにしてしまうのか、第三者委員会を設置して徹底調査の方向に進むのか、きわめて重要な委員会になります。

是非、多くの市民が関心を持っていることを示すためにも、ぜひ、傍聴をお願いします。
陳情書の審議は、15時頃からになるようです。
ただ、これはあくまでも予定ですので、少し早めに集まっていただければありがたいです。
よろしくお願いします。

■5月19日の大阪市議会・教育子ども委員会の開催予定
  日時 5月19日(木) 13:00
  場所 大阪市役所P1階傍聴者控室
  傍聴受付 12時30分から受付 傍聴受付場所:市役所P1階傍聴受付
  
■共同通信ニュース
教科書アンケート「問題なし」複数回答問題で大阪市教委
2016/5/17 21:00
http://this.kiji.is/105273766911377415?c=39546741839462401

 大阪市教育委員会が昨年の教科書採択の参考とした無記名アンケートに同一人物が複数回答を提出したとみられる事例が多数あった問題で、市教委がアンケート方法や採択手続きに問題はなかったとする調査結果をまとめたことが17日、市関係者への取材で分かった。
 19日の市議会教育こども委員会で報告する。ただ調査は市教委内部の聞き取りなどが主で、議会関係者は「徹底されていない」と指摘。市民団体も内部調査では不十分だとして、第三者委員会の設置を求めている。
 市教委は昨年8月、中学社会科教科書に保守色の強い育鵬社版を初採択した。
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