川崎の教科書採択地区統合に反対の声を
横浜からの情報の転載です。
****川崎市の教科書採択に関心をお持ちの皆さまへ*******
●川崎市の教科書採択地区統合に反対の声を
現在、川崎市教委が、2017年度から市内4採択地区を1地区に統合する方針を決定し、採択地区設置の決定を行う神奈川県教委に、地区変更の希望を提出しています。
地区決定は、9月または10月の県教委で審議されると思われます。
政令市の採択地区については、無償措置法16条で、市内を「区若しくは総合区の区域又はこれらの区域を併せた地域に、採択地区を設定しなければならない。」とされています。
しかし2009年には18採択地区だった横浜市が1採択地区への変更を希望し、県教委がこれを受け入れたため、2010年から各学校の教員意見は廃止され、地域との実態反映ができなくなりました。このためほとんど教育委員の意見だけで教科書が選ばれるようになり、2011年の育鵬社採択や不明朗な採択手続きに繋がっていきました。
川崎の1地区化は、かつて横浜に提出された右派の請願と同様の趣旨の請願を採択したことをきっかけにしており、育鵬社採択に有利な条件作りが狙いと思われます。採択地区の拡大は、子どもたちにとっては画一教育による教育環境の悪化であり、先生方にとっては実態に適した教科書が使えなくなることを意味します。
市民のみなさんの地区統合反対の声を至急、県教委(川崎市教委にも)に届けてください。
宛先:神奈川県教育委員会
住所:〒231-8509 神奈川県横浜市中区日本大通33
<教育局子ども教育支援課>
電話 045-210-8217 ファクシミリ 045-210-8937
問い合わせフォームで意見を送る場合
教育局 支援部 子ども教育支援課へのお問い合わせフォーム
https://cgi.pref.kanagawa.jp/ques/questionnaire.php?openid=1268466543&check
または
<教育局総務室>
総務グループ 電話 045-210-8020 ファクシミリ 045-210-8920
問い合わせフォームで意見を送る場合
https://cgi.pref.kanagawa.jp/ques/questionnaire.php?openid=1207009195&check
●横浜教科書採択連絡会の請願と意見陳述の報告
現在、県教委には、地元川崎からの反対請願が複数提出されていますが、先行実施された横浜市の市民からも反対の声を届けるべく、横浜教科書採択連絡会では、請願を提出し、意見陳述を行いました。
以下に当連絡会の請願文を貼り付けます。意見陳述要旨は添付をご覧ください。
-------------------------------------------------------
神奈川県教育委員会様
川崎市の教科書採択地区統合に反対する請願
2016年7月13日
横浜教科書採択連絡会
請願提出代表 ■■■
絡先 横浜市中区■■■■■■
請願項目
川崎市内の複数教科書採択地区を維持し、採択地区の統合をしないでください。
請願理由
横浜市教育委員会は、2009年6月の臨時会において、行政区ごとに設定されていた市内18の教科書採択地区を、1地区に変更する要望を了承しました。横浜市教育委員会は、小中一貫教育への対応、市内で転居した子どもの負担軽減、教材研究の充実を理由にあげましたが、この要望を受けた神奈川県教育委員会は、理由が不十分だとして理由の再提出を求めました。同年10月15日の県教育委員会の審議では、教育委員はいずれも地区統合の必然性に納得しているわけではなく、理由について「理由になり得ない」「リスクを感じる」「理由としてあまりにも稚拙」「飛躍を感じる」などの発言が相次ぎました。結局、客観的・論理的な説明はできないまま、合意も成立せず、「チャレンジ精神を評価」「やってみたらどうか」などの主観的意見で賛成した委員が4人、反対の委員が2人の多数決で了承されました。
私たち横浜市民にとっては、合理的な説明がなされないままの実施であり、子どもたちが実験台にされるような不安が残りました。
現在、横浜市では、1地区化から6年がたち、変化が起きています。
なにより先生方の教科書研究の意欲が、急降下しました。地区統合前は、採択替え年度の教科書展示会にはほとんどすべての学校から教員の参加者がいました。しかし中学校教科書採択の場合、中学校教員約4,900人のうち2011年度に参加したのはたった65人、2015年度は32人でした。
県内では展示会場だけでなく、学校巡回展示をおこなっている地区さえあるのに、横浜市内のほとんどの先生方は見本本を見たことすらないというのは、異常です。地区統合の理由にあげた「教材研究の充実」ができるとはとても思えません。
さらに、各学校の教科書調査研究は一切廃止され、市内の小学生19万3千人、中学生7万6千人の実態は、指導主事が作成した各教科たったA4版用紙1枚で報告されるだけです。市内の学校・地域の実情や学力の違いを、あまりにも無視しています。当会にも、地域学習に資する教科書が使えないという小学校教員の声が寄せられています。
2009年の貴教育委員会の審議では、「透明で公平な皆さんが納得出来るような採択というのが大前提」とし、「当然、横浜はやってくれる」と考えて了承されていたはずですが、横浜市では、不透明な無記名投票採決が実施されるようになりました。昨年の採択では特定の教科書が、その教科書が前回採択で評価されなかった項目を軒並み削除した評価基準によって教科書調査が実施されたため、高い評価となりました。そしてその教科書が採択されました。評価基準の公平性にも疑問が残りました。このように1地区化後、採択手続きの透明性も公平性も後退しています。
また、貴教育委員会の審議では、地区変更後に見直しの機会があると予想していましたが、横浜市教育委員会を傍聴しているかぎり、検証も見直しもなされていません。小中一貫教育と教科書の関係についても同様です。
変更理由に十分納得したわけではないが、横浜市のチャレンジを応援するとして地区変更したのですから、貴教育委員会自身も、横浜市への調査や評価をおこなってから、川崎市の要望を判断すべきではないでしょうか?
政令市の教科書採択地区については、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律(以下無償措置法)」第16条で「指定都市の区若しくは総合区の区域又はこれらの区域を併せた地域に、採択地区を設定しなければならない。」と定められ、これは「他の都道府県における採択地区と著しく均衡を失するおそれがある」ため、設けられた条文です(福田繁・諸沢正道著 同法逐条解説)。小学生71,781人、中学生29,315人を擁する川崎市は、法が想定した「適正規模」とはとうてい言えません。このような1地区化が許されるのであれば、16条は始めからいらないことになってしまいます。
政令市の採択地区統合は、立法趣旨に反するだけでなく、「教科書研究により多くの教員の意向が反映されるよう、現行の採択地区の小規模化や採択方法の工夫改善についての都道府県の取り組みを促す」との閣議決定にも、逆行します。それを押し切って実施された横浜市の実態が、子どもたちや学校の教育環境向上と採択の改善にまったく結びついていないなかで、私たち横浜市民は川崎市の地区統合を見過ごすことはできません。必然性が説明できなくても、先行例に問題が生じていても、違法でさえなければ認めるというのでは、教育行政の役割を放棄することになります。
貴教育委員会におかれては、法の趣旨や国の方針を尊重し、横浜市の実情に鑑み、川崎市の4採択地区を維持するよう求めます。
なお、この請願については、意見陳述を希望します。
以上
****川崎市の教科書採択に関心をお持ちの皆さまへ*******
●川崎市の教科書採択地区統合に反対の声を
現在、川崎市教委が、2017年度から市内4採択地区を1地区に統合する方針を決定し、採択地区設置の決定を行う神奈川県教委に、地区変更の希望を提出しています。
地区決定は、9月または10月の県教委で審議されると思われます。
政令市の採択地区については、無償措置法16条で、市内を「区若しくは総合区の区域又はこれらの区域を併せた地域に、採択地区を設定しなければならない。」とされています。
しかし2009年には18採択地区だった横浜市が1採択地区への変更を希望し、県教委がこれを受け入れたため、2010年から各学校の教員意見は廃止され、地域との実態反映ができなくなりました。このためほとんど教育委員の意見だけで教科書が選ばれるようになり、2011年の育鵬社採択や不明朗な採択手続きに繋がっていきました。
川崎の1地区化は、かつて横浜に提出された右派の請願と同様の趣旨の請願を採択したことをきっかけにしており、育鵬社採択に有利な条件作りが狙いと思われます。採択地区の拡大は、子どもたちにとっては画一教育による教育環境の悪化であり、先生方にとっては実態に適した教科書が使えなくなることを意味します。
市民のみなさんの地区統合反対の声を至急、県教委(川崎市教委にも)に届けてください。
宛先:神奈川県教育委員会
住所:〒231-8509 神奈川県横浜市中区日本大通33
<教育局子ども教育支援課>
電話 045-210-8217 ファクシミリ 045-210-8937
問い合わせフォームで意見を送る場合
教育局 支援部 子ども教育支援課へのお問い合わせフォーム
https://cgi.pref.kanagawa.jp/ques/questionnaire.php?openid=1268466543&check
または
<教育局総務室>
総務グループ 電話 045-210-8020 ファクシミリ 045-210-8920
問い合わせフォームで意見を送る場合
https://cgi.pref.kanagawa.jp/ques/questionnaire.php?openid=1207009195&check
●横浜教科書採択連絡会の請願と意見陳述の報告
現在、県教委には、地元川崎からの反対請願が複数提出されていますが、先行実施された横浜市の市民からも反対の声を届けるべく、横浜教科書採択連絡会では、請願を提出し、意見陳述を行いました。
以下に当連絡会の請願文を貼り付けます。意見陳述要旨は添付をご覧ください。
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神奈川県教育委員会様
川崎市の教科書採択地区統合に反対する請願
2016年7月13日
横浜教科書採択連絡会
請願提出代表 ■■■
絡先 横浜市中区■■■■■■
請願項目
川崎市内の複数教科書採択地区を維持し、採択地区の統合をしないでください。
請願理由
横浜市教育委員会は、2009年6月の臨時会において、行政区ごとに設定されていた市内18の教科書採択地区を、1地区に変更する要望を了承しました。横浜市教育委員会は、小中一貫教育への対応、市内で転居した子どもの負担軽減、教材研究の充実を理由にあげましたが、この要望を受けた神奈川県教育委員会は、理由が不十分だとして理由の再提出を求めました。同年10月15日の県教育委員会の審議では、教育委員はいずれも地区統合の必然性に納得しているわけではなく、理由について「理由になり得ない」「リスクを感じる」「理由としてあまりにも稚拙」「飛躍を感じる」などの発言が相次ぎました。結局、客観的・論理的な説明はできないまま、合意も成立せず、「チャレンジ精神を評価」「やってみたらどうか」などの主観的意見で賛成した委員が4人、反対の委員が2人の多数決で了承されました。
私たち横浜市民にとっては、合理的な説明がなされないままの実施であり、子どもたちが実験台にされるような不安が残りました。
現在、横浜市では、1地区化から6年がたち、変化が起きています。
なにより先生方の教科書研究の意欲が、急降下しました。地区統合前は、採択替え年度の教科書展示会にはほとんどすべての学校から教員の参加者がいました。しかし中学校教科書採択の場合、中学校教員約4,900人のうち2011年度に参加したのはたった65人、2015年度は32人でした。
県内では展示会場だけでなく、学校巡回展示をおこなっている地区さえあるのに、横浜市内のほとんどの先生方は見本本を見たことすらないというのは、異常です。地区統合の理由にあげた「教材研究の充実」ができるとはとても思えません。
さらに、各学校の教科書調査研究は一切廃止され、市内の小学生19万3千人、中学生7万6千人の実態は、指導主事が作成した各教科たったA4版用紙1枚で報告されるだけです。市内の学校・地域の実情や学力の違いを、あまりにも無視しています。当会にも、地域学習に資する教科書が使えないという小学校教員の声が寄せられています。
2009年の貴教育委員会の審議では、「透明で公平な皆さんが納得出来るような採択というのが大前提」とし、「当然、横浜はやってくれる」と考えて了承されていたはずですが、横浜市では、不透明な無記名投票採決が実施されるようになりました。昨年の採択では特定の教科書が、その教科書が前回採択で評価されなかった項目を軒並み削除した評価基準によって教科書調査が実施されたため、高い評価となりました。そしてその教科書が採択されました。評価基準の公平性にも疑問が残りました。このように1地区化後、採択手続きの透明性も公平性も後退しています。
また、貴教育委員会の審議では、地区変更後に見直しの機会があると予想していましたが、横浜市教育委員会を傍聴しているかぎり、検証も見直しもなされていません。小中一貫教育と教科書の関係についても同様です。
変更理由に十分納得したわけではないが、横浜市のチャレンジを応援するとして地区変更したのですから、貴教育委員会自身も、横浜市への調査や評価をおこなってから、川崎市の要望を判断すべきではないでしょうか?
政令市の教科書採択地区については、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律(以下無償措置法)」第16条で「指定都市の区若しくは総合区の区域又はこれらの区域を併せた地域に、採択地区を設定しなければならない。」と定められ、これは「他の都道府県における採択地区と著しく均衡を失するおそれがある」ため、設けられた条文です(福田繁・諸沢正道著 同法逐条解説)。小学生71,781人、中学生29,315人を擁する川崎市は、法が想定した「適正規模」とはとうてい言えません。このような1地区化が許されるのであれば、16条は始めからいらないことになってしまいます。
政令市の採択地区統合は、立法趣旨に反するだけでなく、「教科書研究により多くの教員の意向が反映されるよう、現行の採択地区の小規模化や採択方法の工夫改善についての都道府県の取り組みを促す」との閣議決定にも、逆行します。それを押し切って実施された横浜市の実態が、子どもたちや学校の教育環境向上と採択の改善にまったく結びついていないなかで、私たち横浜市民は川崎市の地区統合を見過ごすことはできません。必然性が説明できなくても、先行例に問題が生じていても、違法でさえなければ認めるというのでは、教育行政の役割を放棄することになります。
貴教育委員会におかれては、法の趣旨や国の方針を尊重し、横浜市の実情に鑑み、川崎市の4採択地区を維持するよう求めます。
なお、この請願については、意見陳述を希望します。
以上
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