東京での公正取引委員会への告発書
5月10日に東京の公正取引委員会に申告した内容です。
2016年5月10日
公正取引委員会 御中
申告者 上杉 聡、高嶋伸欣、俵 義文、藤本泰成
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独禁法)第2条第9項第6号ハ等の違反により第20条(排除措置命令)の実施を求める追加申告
1 違反行為者(被申告者)
1)名称 株式会社 育鵬社
所在地 東京都港区芝浦 1-1-1 浜松町ビルディング
代表者 久保田栄一
会社目的 教科書の出版など
2)名称 一般財団法人 日本教育再生機構
所在地 旧・東京都台東区上野 1丁目17-1 大湖堂ビル4階
現(2016年1月以後)東京都渋谷区渋谷 2-5-12
青山アジアマンション 103号室
理事長 八木秀次
法人目的 教科書の作成と普及
2 追加申告の趣旨
2015年7月5日に、上記4名の連名により上記標題の本論に当たる申告(以下「前申告」と表記する)をした件(資料F-1)につき、2015年11月2日付の「通知書」をもって、「調査の結果、独占禁止法に違反する行為は、認められず、措置はとりませんでした」
との結論だけが、公正取引委員会より通知されたが、どのように調査し、申告の際に提出した証拠資料がなぜ適切に評価されなかったのか不明のままで、申告者4名には疑問が残されたままの事態となっていた。
その後、さらに新たな事態の下で、先の申告の正当性を証明する数々の経過が発覚し、新たな証拠資料が多数得られたことから、ここに上記標題の通り追加申告を行うこととしたもので、当追加申告においても「前申告」と同様に下記1)及び2)の禁止規定に基づく措置を公正取引委員会が早急に措置されることを求めるものである。
1)独禁法第2条第9項第6号ハ 「不当に競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、又は強制すること」の禁止。
2)公正取引委員会告示第15号(一般指定) 「--実際のもの又は競争者に係るものよりも著しく優良又は有利であると顧客に誤認させることにより、競争者の顧客を自己と取引するように不当に誘引すること」の禁止。
3.具体的な違反行為とそれらを裏付ける新たな証拠資料
1)「前申告」においては、「被申告人の日本教育再生機構は教科書発行者である育鵬社とは、教科書の執筆(資料Aー⑨)、編集(検定合格への対応を含む)及び発行と販売(採択に向けた営業行為)において、密接不可分も同然の関係にあり、法にいう共同事業者に該当する。
そのことは「資料A-②」で、同機構の「めざすもの」として「①日本への愛情をはぐくむ教科書の作成、普及に取り組んでいきます」(1~2ページ)とし、現行版(2010年度検定済)の育鵬社版歴史・公民教科書の実績を明示していることで、明らかである」と、指摘した。
その後、同機構の機関誌『教育再生』では90号(2016年1月)以後の誌上(資料Bー⑮、⑯、⑰、)において「日本教育再生機構とは」との解説ページを設け、その「活動の三本柱」の一つ「教科書改善による反日教育の是正!」(コラム)で、「育鵬社版中学校歴史教科書『新しい日本の歴史』・公民教科書『新しいみんなの公民』を作成し、平成27年夏に行われた採択において、全国シェア歴史6.5%、公民5.8%を獲得しました。次回採択では、更なる飛躍をめざします」と、明記していることが判明した。
日本教育再生機構は教科書の「作成」者であるという点で教科書出版社の育鵬社と同体同然の共同事業者であり、営業・販売においても政治家との関係を『教育再生』誌上で誇示するなど、育鵬社と密接に協力し多様で多角的な活動を遂行しており、育鵬社との共同事業者であることに疑いの余地はない。
2)さらに、日本教育再生機構が育鵬社版中学教科書の作成者であることを、同教科書の採択の違法性が審議された裁判の判決文中において、裁判所の事実認定として明記されているという事実が、新たに生まれている。
2015年12月15日に松山地方裁判所民事第2部の西村欣也裁判長が言い渡した判決(資料B-⑱)で、その「第3 当裁判所の判断」の「2 認定事実」に「本件教科書は、『新しい教科書をつくる会』から分裂した『日本教育再生機構・教科書改善の会』が作成したものであるところ、--」(上記資料17ページ)とある。
これら新たな証拠資料からも、「日本教育再生機構」が、育鵬社と密接不可分な共同事業者であることは明白である。
3)その「日本教育再生機構」は上記の機関誌『教育再生』90号誌上に、「育鵬社歴史教科書の編集会議座長として」の伊藤隆氏の「教科書採択報告」を掲載している。同「報告」において伊藤氏は「考えてみれば、まだ90%以上は、偏向した歴史認識をもった教科書ということも事実です」と、明言している(29ぺージ)。
客観的で公正・公平な根拠なしに他社の教科書(商品)を批判することは、誹謗中傷であり、上記「一般指定」にいう「顧客に誤認させること」に該当し、違法行為に当たる。
「前申告」の趣旨が認められず、「日本教育再生機構」の違反行為が野放し同然にされた結果として、こうした行為が新たに生じている点は看過できない。
4)大阪で発覚した「フジ住宅(株)」の会社組織を総動員した教科書展示会「アンケート」工作による育鵬社版教科書採択行動そのものの違法性については、別途に上杉聡単独の申告が、すでに5月9日付で遂行されている(とくにC-⑩⑫をもとに)ので、ここで詳しくは繰り返さないが、当追加申告の上杉を除く3名も、同申告の同調者であることを、ここで明らかにしておく。
と同時に、「フジ住宅」社員による多重提出「アンケート」(資料C-10‘)の文面には「育鵬社の他の出版社の教科書の中学校の歴史の教科書はほとんどが日本悪玉史観や自虐史観に基づき作成されており」などと、繰り返し記載されている。
すでにこれらの「アンケート」は、育鵬社や教育再生機構などからの働きかけに起因するものであることが、上杉の申告資料等によって明らかとなっている。そうした働きかけによる行動の中身に他社の教科書に対する誹謗中傷があれば、それは違反行為に当たるものである。
ちなみに、2016年4月27日に発出された文科省初中等教育局長通知「教科書採択の公正確保について」では「留意事項」の<その他留意すべき事項について>で「いかなる理由があろうとも、自ら行うと第三者をしてであろうとを問わず、他の教科書発行者及びその発行する教科書の内容に関する誹謗中傷を行わないこと」と明記している。
前出の「アンケート」の記述は、ここで禁じられている行為に該当する。上杉が情報開示請求によって得た膨大な数の「アンケート」個票から摘出したこれらの不当事例の示す意味は重い。
4 公正取引委員会に求める措置
以上の新たな証拠資料等によって、育鵬社と「日本教育再生機構」が共同事業者として一体になり、独占禁止法に違反する行為を遂行し続けていることは明白であると考えられる。現実は既に2015年度の5月に至っているが、両者は既に次の採択に向けた準備や事実上の取り組みに着手すると公言している。
さらに文科省は、採択において不正行為等の存在が明らかになった場合には4年間は同一教科書を採択するものとしている「教科書無償措置法」の例外規定に、4年間の途中でも採択のやり直しを可能とする条項案を発表し、パブリックコメントに掛けている。
同規定の官報告示は間もないと思料される。
以上の観点などから、公正取引委員会が育鵬社と日本教育再生機構に対し、独禁法第20条に基づく排除措置をされることを求める。
以上
2016年5月10日
公正取引委員会 御中
申告者 上杉 聡、高嶋伸欣、俵 義文、藤本泰成
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独禁法)第2条第9項第6号ハ等の違反により第20条(排除措置命令)の実施を求める追加申告
1 違反行為者(被申告者)
1)名称 株式会社 育鵬社
所在地 東京都港区芝浦 1-1-1 浜松町ビルディング
代表者 久保田栄一
会社目的 教科書の出版など
2)名称 一般財団法人 日本教育再生機構
所在地 旧・東京都台東区上野 1丁目17-1 大湖堂ビル4階
現(2016年1月以後)東京都渋谷区渋谷 2-5-12
青山アジアマンション 103号室
理事長 八木秀次
法人目的 教科書の作成と普及
2 追加申告の趣旨
2015年7月5日に、上記4名の連名により上記標題の本論に当たる申告(以下「前申告」と表記する)をした件(資料F-1)につき、2015年11月2日付の「通知書」をもって、「調査の結果、独占禁止法に違反する行為は、認められず、措置はとりませんでした」
との結論だけが、公正取引委員会より通知されたが、どのように調査し、申告の際に提出した証拠資料がなぜ適切に評価されなかったのか不明のままで、申告者4名には疑問が残されたままの事態となっていた。
その後、さらに新たな事態の下で、先の申告の正当性を証明する数々の経過が発覚し、新たな証拠資料が多数得られたことから、ここに上記標題の通り追加申告を行うこととしたもので、当追加申告においても「前申告」と同様に下記1)及び2)の禁止規定に基づく措置を公正取引委員会が早急に措置されることを求めるものである。
1)独禁法第2条第9項第6号ハ 「不当に競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、又は強制すること」の禁止。
2)公正取引委員会告示第15号(一般指定) 「--実際のもの又は競争者に係るものよりも著しく優良又は有利であると顧客に誤認させることにより、競争者の顧客を自己と取引するように不当に誘引すること」の禁止。
3.具体的な違反行為とそれらを裏付ける新たな証拠資料
1)「前申告」においては、「被申告人の日本教育再生機構は教科書発行者である育鵬社とは、教科書の執筆(資料Aー⑨)、編集(検定合格への対応を含む)及び発行と販売(採択に向けた営業行為)において、密接不可分も同然の関係にあり、法にいう共同事業者に該当する。
そのことは「資料A-②」で、同機構の「めざすもの」として「①日本への愛情をはぐくむ教科書の作成、普及に取り組んでいきます」(1~2ページ)とし、現行版(2010年度検定済)の育鵬社版歴史・公民教科書の実績を明示していることで、明らかである」と、指摘した。
その後、同機構の機関誌『教育再生』では90号(2016年1月)以後の誌上(資料Bー⑮、⑯、⑰、)において「日本教育再生機構とは」との解説ページを設け、その「活動の三本柱」の一つ「教科書改善による反日教育の是正!」(コラム)で、「育鵬社版中学校歴史教科書『新しい日本の歴史』・公民教科書『新しいみんなの公民』を作成し、平成27年夏に行われた採択において、全国シェア歴史6.5%、公民5.8%を獲得しました。次回採択では、更なる飛躍をめざします」と、明記していることが判明した。
日本教育再生機構は教科書の「作成」者であるという点で教科書出版社の育鵬社と同体同然の共同事業者であり、営業・販売においても政治家との関係を『教育再生』誌上で誇示するなど、育鵬社と密接に協力し多様で多角的な活動を遂行しており、育鵬社との共同事業者であることに疑いの余地はない。
2)さらに、日本教育再生機構が育鵬社版中学教科書の作成者であることを、同教科書の採択の違法性が審議された裁判の判決文中において、裁判所の事実認定として明記されているという事実が、新たに生まれている。
2015年12月15日に松山地方裁判所民事第2部の西村欣也裁判長が言い渡した判決(資料B-⑱)で、その「第3 当裁判所の判断」の「2 認定事実」に「本件教科書は、『新しい教科書をつくる会』から分裂した『日本教育再生機構・教科書改善の会』が作成したものであるところ、--」(上記資料17ページ)とある。
これら新たな証拠資料からも、「日本教育再生機構」が、育鵬社と密接不可分な共同事業者であることは明白である。
3)その「日本教育再生機構」は上記の機関誌『教育再生』90号誌上に、「育鵬社歴史教科書の編集会議座長として」の伊藤隆氏の「教科書採択報告」を掲載している。同「報告」において伊藤氏は「考えてみれば、まだ90%以上は、偏向した歴史認識をもった教科書ということも事実です」と、明言している(29ぺージ)。
客観的で公正・公平な根拠なしに他社の教科書(商品)を批判することは、誹謗中傷であり、上記「一般指定」にいう「顧客に誤認させること」に該当し、違法行為に当たる。
「前申告」の趣旨が認められず、「日本教育再生機構」の違反行為が野放し同然にされた結果として、こうした行為が新たに生じている点は看過できない。
4)大阪で発覚した「フジ住宅(株)」の会社組織を総動員した教科書展示会「アンケート」工作による育鵬社版教科書採択行動そのものの違法性については、別途に上杉聡単独の申告が、すでに5月9日付で遂行されている(とくにC-⑩⑫をもとに)ので、ここで詳しくは繰り返さないが、当追加申告の上杉を除く3名も、同申告の同調者であることを、ここで明らかにしておく。
と同時に、「フジ住宅」社員による多重提出「アンケート」(資料C-10‘)の文面には「育鵬社の他の出版社の教科書の中学校の歴史の教科書はほとんどが日本悪玉史観や自虐史観に基づき作成されており」などと、繰り返し記載されている。
すでにこれらの「アンケート」は、育鵬社や教育再生機構などからの働きかけに起因するものであることが、上杉の申告資料等によって明らかとなっている。そうした働きかけによる行動の中身に他社の教科書に対する誹謗中傷があれば、それは違反行為に当たるものである。
ちなみに、2016年4月27日に発出された文科省初中等教育局長通知「教科書採択の公正確保について」では「留意事項」の<その他留意すべき事項について>で「いかなる理由があろうとも、自ら行うと第三者をしてであろうとを問わず、他の教科書発行者及びその発行する教科書の内容に関する誹謗中傷を行わないこと」と明記している。
前出の「アンケート」の記述は、ここで禁じられている行為に該当する。上杉が情報開示請求によって得た膨大な数の「アンケート」個票から摘出したこれらの不当事例の示す意味は重い。
4 公正取引委員会に求める措置
以上の新たな証拠資料等によって、育鵬社と「日本教育再生機構」が共同事業者として一体になり、独占禁止法に違反する行為を遂行し続けていることは明白であると考えられる。現実は既に2015年度の5月に至っているが、両者は既に次の採択に向けた準備や事実上の取り組みに着手すると公言している。
さらに文科省は、採択において不正行為等の存在が明らかになった場合には4年間は同一教科書を採択するものとしている「教科書無償措置法」の例外規定に、4年間の途中でも採択のやり直しを可能とする条項案を発表し、パブリックコメントに掛けている。
同規定の官報告示は間もないと思料される。
以上の観点などから、公正取引委員会が育鵬社と日本教育再生機構に対し、独禁法第20条に基づく排除措置をされることを求める。
以上
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