高校教科書採択で実質的に「学校採択」を剥奪する8.6「附帯決議」に抗議し、撤回を要求します

大阪市教委の高校での学校採択をつぶす決定に抗議文を送りましたので紹介します。


2013年8月8日
大阪市教育委員会 長谷川恵一教育委員長 様
             永井哲郎教育長 様

抗議及び質問書

高校教科書採択で実質的に「学校採択」を剥奪する8.6「附帯決議」に抗議し、撤回を要求します

子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会


 8月6日、大阪市立高校の教科書の採択を決定する教育委員会議が開かれました。その場で貴教育委員会は、各学校からの「答申」をそのまま採択するとともに高校教科書採択制度の慣行を破壊する「附帯決議」を全員一致で可決しました。「附帯決議」では「教育委員会による適正な採択のための審議の一層の充実を図るため」として、各学校に「選定候補として2つ以上の教科用図書を答申書に記載し、それぞれの長所と短所を列記することとし、推薦順位や優劣は示さないものとする」とし、教育委員会に高校採択でも「お好み採択」の根拠を事実上与えるものとなっています。
 戦後、大阪市はもとより全国の教育委員会では、高校採択において各学校から選定された教科書を承認してきました。事実上、学校採択が行われてきたのです。高校は教育目標や教育課程、生徒の実態などが小中学校以上に各学校ごとに違い、教科の内容も専門性が高く、従って教科書採択には教科の専門性を有し、生徒の実態にも詳しい学校現場・教員の声が優先されてきました。これは教育条理から当然のことといえます。
 また、教育委員が1~2ヶ月程度の短期間にきわめて多数ある高校教科書を読んで、どれがその学校に最も適しているのか検討することなど現実的に不可能です。教育委員会議でも長谷川教育委員長から「実務レベルの心配」として「教育委員には専門性がないものもいる。5教科以外の教科は難しい問題がある。」と、実質的な調査研究の不可能性を吐露されていました。従って、数十年来続いてきた慣行や教育条理から言っても、教育委員の物理的な業務としても今回の「附帯決議」は現実的ではなく、不当・不法なものと言わざるを得ません。
 そもそも、教育委員会の採択権限を明確に定めた法律はありません。貴教育委員会が根拠としている地方教育行政法第23条第6号には「教科書その他の教材の取扱いに関すること」とあるだけで、採択権限を明示したものではありません。「学校管理機関の職務と校長の職務との関係」を説いた文部官僚も「『教科書その他の教材の取扱いに関すること』という規定があるというだけで、教育委員会が教材の取り扱いに関するいっさいの権限を有すると解するがごときは、お粗末な解釈というべきである。」(『学校教育法解説』(初等中等教育編)1968年)と認めているところです。しかも、学校での授業の具体的内容を最終的に決定する権限、教育課程(カリキュラム)の最終決定権は学校現場にあります。どの教科書を使用するかは、教育課程決定権の重要な要素となり、「教育行政機関」である教育委員会のやるべきことは、「教育機関」である学校現場の選定を尊重することです。教育委員会が、学校で使用する教科書を採択すること自体、行政の教育に対する「不当な支配」(教育基本法第16条)で「違法」です。
 8.6「附帯決議」は、教育委員会に高校教科書の採択権を実質的に掌握させるものであり、事実上「お好み採択」を行うための不当・不法な行為を正当化しようとする、前例のない暴挙です。私たちは、貴教育委員会の8.6「附帯決議」に対して厳しく抗議すると共に、すぐさま撤回することを要求します。

貴教育委員会の「附帯決議」について見解をただすために以下の質問をします。8月22日までに文書での回答と「応接」を求めます。

【質問事項】

1.教育委員会議では、「教育委員会の責任と権限」で採択を行うことが何度も強調されていました。その根拠としてあげられていた地方教育行政法第23条第6号には「教科書その他の教材の取扱いに関すること」とあるだけで、採択権限を明示したものではありません。教育委員会に採択権限があるとする明示的な法的根拠を明らかにしてください。
 地方教育行政法第23条は、「地方公共団体が処理する教育に関する事務」を列挙したものです。また、第6号には「採択」という文字もありません。行政が行う事務というのは「教科書」については、展示会を開催する等々教師の採択を助けるための行政措置などのことではありませんか。


2.「附帯決議」の2には「教育委員会は、答申書を参考にしつつ、自ら調査研究を行い、教科用図書を採択するものとする。」とあります。この点について長谷川教育委員長からは、「実務レベルの心配」として「教育委員には専門性がないものもいる。5教科以外の教科は難しい問題がある。」と発言されていました。すべての教育委員が、すべての高校教科書を熟読し、各学校の特色や生徒の実態を踏まえて、1~2ヶ月程度の短期間に採択することが可能だと考えていますか。


3.今年度の高校採択について、すべての高校教科書が教育委員に手渡されたのでしょうか。教育委員はすべての教科書を読まれたのでしょうか。


4.これまで高校では教育目標や教育課程、生徒の実態などが小中学校以上に各学校ごとに違い、教科の内容も専門性が高いがゆえに、教科書採択には専門性を有する学校現場の声が優先されていたと思います。高校採択において学校現場・教員の声を尊重することは重要だと考えておられるのでしょうか。
    以上
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大阪府教委も高校教科書採択に露骨な介入!至急抗議の声を!

大阪府教委が、東京都教委と全く同様の高校教科書選定への不当介入を行いました。
東京都教委の前代未聞の介入を大阪でも進めるものです。

7月9日、府教委は、来年度の教科書の「選定にあたり注意していただきたいことが生起している」として、
府立学校校長・准校長に「見解」を発表し送付しました。

この「見解」では、実教出版社の「日本史A(日A302)」「日本史B(日B304)」の一部分の記述を取り上げ、
「府教育委員会はこの記述は一面的なものであると考えます。」とし、
その理由として「学習指導要領の趣旨や、平成24年1月16日の最高裁判決で、
国歌斉唱時の起立斉唱等を教員に求めた校長の職務命令が合憲であると認められたことに、全く言及がないこと」をあげています。

 府教委が問題としている記述は、「…国旗・国歌法をめぐっては、日の丸・君が代がアジアに対する侵略戦争ではたした役割とともに、
思想・良心の自由、とりわけ内心の自由をどう保護するかが議論となった。政府は、この法律によって国民に国旗掲揚、
国歌斉唱などを強制するものではないことを国会審議で明らかにした。しかし一部の自治体で公務員への強制の動きがある」という部分です。

これは、6月27日に東京都教委が「見解」として「都教委の考え方と異なる」「都立高校などで使用することは望ましくない」として校長に周知したことと全く同じ動きです。

これは、教科書選定に対する不当な圧力であると同時に、「日の丸・君が代」強制そのものです。
至急、抗議の声を上げてください。

抗議先
大阪府教育委員会 高等学校課 教務グループ
電話:06-6946-2387 Fax:06-6944-6888
メールは、以下のページの「お問い合わせはこちら」から
http://www.pref.osaka.jp/kotogakko/

大阪府下43の地教委への要請(子どもと教科書大阪ネット21)

大阪府下43の市町村教育委員会に下記の要請書を送りました。

               2011年 7月 5日
           教育委員会 御中
                      子どもと教科書大阪ネット21
                          代表委員  小牧 薫
                        (連絡先住所及び電話番号)                  
要   請   書

要請の趣旨

1.2012(平成24)年度用中学校教科書の採択にあたっては、政治的介入などを許さず、現場教員の意見を尊重した公平・公正な採択が行われるようにしてください。

2.自由社版中学校歴史ならびに公民教科書、および育鵬社版中学校歴史ならびに公民教科書を採択しないことを求めます。


要請の理由

1.現在、中学校教科書について来年度からの使用のための採択作業が行われていることと存じます。教科書は学校教育にとって主たる教材であり、教科指導の基本となるものです。その内容は、日本国憲法の精神に即して、次代を担う主権者を育成するものでなければなりません。教育においては、民主主義に基づく「個」の確立、基本的人権の尊重に裏付けられた人権意識の涵養が要請され、世界の諸国民との平和的友好に寄与できるような人格の育成が求められているからです。1966年に日本も賛成して採択されたILO・ユネスコの「教員の地位に関する勧告」でも,「教員は、教材の選択および使用、教科書の選択ならびに教育方法の適用にあたって、不可欠の役割を与えられているものとする」と明記されています。教員が教科書選択に権利と責任を負うことは、国際社会の常識となっています。子どもと日々深く関わり、地域や子どもの状況をよく把握している教員の意見を重視して、子どもたちにふさわしい教科書を選んでください。

2.教科書採択に政治介入を許さないでください。
教科書採択について、大阪府下の複数の議会で「教育基本法や学習指導要領の趣旨をふまえた教科書の採択を」といった請願や陳情が提出されています。
しかし、このような請願や陳情は独立した行政委員会である教育委員会の権限とされている教科書採択の行政事務について、議会が介入・干渉しようとするものです。議会がこのよう請願や陳情を採択し、または同趣旨の決議を行うことは、教育に対する不当な支配を禁じる教育基本法16条1項に違反し、違法となります。こうした政治介入によって公正で公平、公開を貫いた教科書採択が歪められないようにしてください。

3.来年度から使われる中学校教科書の採択にあたり、自由社が発行する『新しい歴史教科書』ならびに『新しい公民教科書』(以後「自由社版」)、および育鵬社が発行する『新しい日本の歴史』『新しいみんなの公民』(以後「育鵬社版」)を、以下の理由で採択しないことを要請いたします。
これらの教科書は、以下に示す理由により、とうてい義務教育用教科書として採択すべきものとは考えられません。

自由社版・育鵬社版教科書を採択すべきでない理由

①他社の年表や資料を盗作して恥じない教科書です。

自由社版の「歴史年表」の「日本のおもなできごと」は、東京書籍の2002年度用歴史教科書から盗用していることが判明し、藤岡信勝「つくる会」会長(自由社版歴史の代表著作者)自身も「指摘を受けるまで気づかなかった。年表作成の担当者は自由社を退社しており、経過を確かめようがないが、関係者に迷惑をかけ、深くおわびする。」と認めています。

また、自由社や育鵬社は図版でも他社から盗用しています。育鵬社の「15世紀のアジア」「倭寇」「勘合貿易」の図は日本文教出版の2006年度版から、自由社の「東アジアの海上交易のネットワーク」の図版も東京書籍の06年度版からの盗用です。他社が苦労して作った年表や図版を盗用してつくられた教科書は、いわば著作権侵害の違法状態にあり、子どもたちが使うのにふさわしくないのは明らかであり、出版人としてだけでなく一市民としての見識が疑われます。

②ずさんで間違いだらけの子どもたちに不誠実な教科書です。

両社の教科書は検定合格したものですが、合格後も依然として誤りが多数含まれており、そのため歴史学関係者や社会科学の諸方面から、教科書としての欠陥が指摘されています。

文部科学省に訂正申請した訂正数は、自由社が歴史84、公民87、育鵬社が歴史84、公民118という膨大なものです。これらはほとんどが誤記です。検定時の検定意見数をあわせると、自由社が歴史321、公民226、育鵬社が歴史234、公民169となります。教科書発行資格が問われるほど、ずさんな編集で間違いだらけの教科書をつくっていることの明白な証明です。そして、今もまちがいや不適格な表現、内容が多くみつかっており、どちらも子どもたちに対して不誠実きわまりないものです。

<自由社版 歴史>

1.口絵3p 旧国名と都道府県名の左上の拡大図。畿内で現在の都道府県名なのに「大阪」が「大坂」になっている。

2.27p 右側側注 打製石器の全長10 cmは誤り。 7cmが正しい。

3.73p 下から2行目「表情のものもの」と「もの」がダブっている。

4.84p 右最終行 2字分空白。次ページからの字送りがされていない。

5.95p 10行目 「彼らは地侍とよばれた」が「彼らは地侍とよばた」と「れ」が脱字。

6.165p 左側3行目「職業選択の白由が認められ」「白由に経済活動ができる」と「自由」を「白由」と誤記。右の1行目「働くことを白己の使命」と「自己」を「白己」と誤記。

7.171p 6行目 「1973(明治6)年」は「1873(明治6)年」の誤記。

8.197p 右側12行目 4字空白。次行からの字送りがされていない。

9.237p 原爆の写真のキャプション「広島に投下された原子爆弾」は誤り。この写真は    長崎に投下された原子爆弾の写真である。

10.「帰化人」の用語。 49p「多くの難民が一族や集団で日本に移り住んだ。これを帰化人(または渡来人)という。」と、国家成立以前なのに「帰化」の用語を使うのは不適切。他社はすべて「渡来人」の用語を使っている。

11. ルビの不統一。93pの「尚氏」と124 pの「尚氏」、129 pの「浮世絵」など。初出の漢字にルビがなく、後出の漢字にルビ。例えば、124 pの「清朝」にルビがなく、167 pの「清」にルビ、など。

<育鵬社版 歴史>

1.219p 右下の注記 沖縄戦の日本側犠牲者「18万~19万人」の「半数以上は一般市民だった」はまちがい。検定の根拠にされている厚生省の沖縄戦戦没者総数では、県外出身日本兵の死者65,908人、一般住民の死者は約94,000人で、これに県出身の軍人・軍属の死者28,228人をどちらに加算するかで、日本軍の死者が半数以上と表現するか、県民の死者が半数以上とするかのちがいが生まれる。育鵬社の教科書は「一般市民」だけを論じているので誤り。

2. 219p 絵のキャプション「東京大空襲の惨状」は誤り。鈴木誠作「皇土防衛の軍民防空陣」という題である。

3. 232 p コラム「東京裁判」右4行目 BC級裁判により「死刑に処せられ」た人が「1000人を超える人々」だったとあるが、現在までの研究・調査では950人前後とするものばかりで、1000人以上であることの根拠を示して指摘したものはない。

4.年号の表記が不統一。基本は「1941(昭和16)年」などと、「西暦(元号)」と表記しているのに、222pには「昭和20(1945)年」となっている。

5.「帰化人」の用語。31p 小見出し「帰化人の伝えたもの」で「戦乱の続く朝鮮半島や中国から多くの人々が一族でわが国に移り住むようになりました。この人々を帰化人(渡来人)といいます。」と国家成立以前なのに「帰化人」の用語を使うのは不適切。他社はすべて「渡来人」としている。

これらの教科書を使って授業が行われれば、子どもたちに誤った事実を教えることになります。何より、学習上の支障がある不適切な教科書といわなければなりません。

③学習指導要領にも忠実でなく、近隣諸国との対立と緊張をもたらす教科書です。

これからの社会に求められるのは、国内外とも異質な文化などとの相互理解や共存です。国際化の時代にあって、他国との対話と相互理解をすすめることがますます重要になってきています。教育基本法にある教育の目標には「我が国と郷土を愛する」とありますが、それとともに「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」も併記されています。この目標を実現するためには、独善的な歴史観で日本の過去を美化したり、アジアにおける平和のための努力に逆行して、武力をもって国際社会に対応すべきことを強調するような内容や近隣諸国への敵対心ばかりをあおるような内容の教科書は、これからの日本をになう子どもたちの教科書としてふさわしくありません。

自由社や育鵬社の歴史教科書では近代におけるロシアの脅威を強調し、日本の韓国併合などの行為を正当化し、日本の中国や朝鮮への侵略行為も、悪いのは朝鮮・中国だといわんばかりの記述です。また、公民の教科書では、本来国内の人権問題を扱うべきところで中国の人権問題を持ち出したり、中国や朝鮮民主主義人民共和国など近隣諸国を蔑視したり、敵対心を持たせるような内容が随所に記述されており、国際理解・国際協調の見地から十分な配慮がなされていると言えません。

文部科学省が定めた学習指導要領に照らしても、自由社版、育鵬社版とも、近隣諸国の人々に対する蔑視に満ち、中学生に誤った偏見を植え付ける内容を多く含んでいます。

大阪府下に居住する外国人の子女の多くは、地域の公立学校に通学しており、日本人生徒とともに学校生活を送っています。これらの教科書が採択されれば、そうした子どもたちがおおいに傷つけられるばかりでなく、教室内にも偏見に基づいた対立を招きかねません。

④教育のためでなく、政治目的実現のためにつくられた教科書です。

上記のような欠点をもち、そのために多くに批判を受けてきたにもかかわらず、両社が教科書の発行を続けるのは、どちらの側も教育と教科書に名を借りた政治運動を背景とし、その目的実現の手段として教科書を利用しているからです。

育鵬社から歴史と公民の教科書を発行している「日本教育再生機構」の理事長である八木秀次氏は、第3代「新しい歴史教科書をつくる会」会長であり、内部分裂によって「新しい歴史教科書をつくる会」を脱退し、「日本教育再生機構」を創った人物です。育鵬社の歴史教科書の代表著作者の伊藤隆氏も元「新しい教科書をつくる会」理事でした。

藤岡信勝「新しい教科書をつくる会」現会長は、自由社版の歴史教科書の「代表著作者」であり、扶桑社からの教科書発行を拒否されて自由社から発行することにしたのです。「新しい歴史教科書をつくる会」と「日本教育再生機構」は、同じ目的でつくられた団体であり、二つの組織が発行する教科書は、その記述内容に表現の異なる部分がありますが双子の教科書というべきものです。

こうした政治目的でつくられた教科書を採択しないことを求めます。

以上

枚方市教委に「2012年度使用中学校教科書の採択に関する要望と質問」

2012年度使用中学校教科書の採択に関する要望と質問

枚方市教育委員会教育長 様

2012年度から教科書の採択に向けて、教育委員会で採択過程に入っていることと思います。今年の中学校教科書採択は新学習指導要領になって初めての採択であり、どのような基準で教科書が採択されるのか、子どもたちの教育に直接関わる教員の意見がどのように反映されるのか、私たちは注視しています。
 また3月30日に公表された教科書検定結果では、2001年以降国内外から批判を浴びてきた新しい歴史教科書をつくる会(「つくる会」)が編集した自由社版歴史・公民教科書、日本教育再生機構及び改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会(「教科書改善の会」)が編集した育鵬社版歴史・公民教科書も検定に合格しました。さらに、文科省の強い指導のもとで全ての出版社で「竹島「尖閣諸島」に関わって日本政府の見解が記述されました。
 私たちは、憲法の理念や近隣諸国との友好関係を深める観点から、公正かつ民主的に教科書採択が行われるよう貴教育委員会に要望するとともに、その目的達成のために、以下の質問への回答を 2011年6月9日(木)に お願いいたします。

            要望書

1、大阪府教育委員会が作成する「教科書を調査研究する観点」には、従来から「人権の取り扱い」が項目に含まれています。大阪には、部落問題や在日外国人問題、障がい者問題などさまざまな人権に関わる問題があり、教育課題としても積極的に取り上げられてきたところです。そのため、「人権の取り扱い」は、大阪の教育にとって極めて重要な観点になると考えています。今年の中学校採択においても、貴教育委員会でも、この観点を重視するよう要望します。

2、1982年の教科書問題を発端にして文部省は、教科書検定基準の中に「近隣のアジア諸国との間の近現代史の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」という近隣諸国条項を設けました。当時の宮沢官房長官は、「過去において、我が国の行為が韓国・中国を含むアジアの国々の国民に多大の苦痛と損害を与えたことを深く自覚し、このようなことを二度と繰り返してはならないとの反省と決意の上に立って平和国家としての道を歩んで来た」とし、この精神が「我が国の学校教育、教科書の検定にあたっても、当然、尊重されるべきものである」と、「近隣諸国条項」を設けた主旨を説明しました。
 枚方市は中国長寧区や、王仁博士の故郷である韓国霊岩(よんあん)群と姉妹都市提携をし、菅原東小学校は同郡の鳩林(くりも)初等学校と交流し、国際理解と友好促進の精神を育てています。
「近隣諸国条項」は現在に至るまでアジアとの友好関係を発展させていくための重要な観点として維持されてきたところです。しかし、近年、教科書検定・採択において「近隣諸国条項」が軽視される傾向がみられます。
 これからの未来を担う子どもたちが、アジアと好関係をきづいていくことは極めて重要なことです。そのために正しい歴史認識を伝えていくことは教育の重要な役割です。私たちは、中学校教科書採択において「近隣諸国条項」を重視すべきだと考えています。
 枚方においても、在日韓国朝鮮人をはじめ多くの外国にルーツを持つ子どもたちが学校に通っています。近隣諸国との友好関係を発展させるために、自国中心の歴史認識ではなく、過去の日本の侵略と植民地支配を真摯に受け止める教育が必要です。アジアの人々の批判を受け止め、「近隣諸国条項」を枚方市の採択基準に入れるように要望します。

3、貴教育委員会には、「愛国心」に繋がる目標がありますか。そこには「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」が同時に明記され、偏狭なナショナリズムを喚起する教科書が何をもたらしたのか、戦前の教育が明瞭に示しているかです。貴委員会でも教科書選定にあたって、偏狭なナショナリズムに繋がる「愛国心」を採択基準に加えないよう要望します。

4、教科書採択に当たっては、現場の教職員の意見を十分に聞き、それを教科書採択に反映すべきです。1997年3月28日「規制緩和推進計画の再改定について(閣議決定)」の中でも、教科書の採択制度について「将来的には学校単位の採択の実現に向けて検討していく必要があるとの観点に立ち、当面の措置として、教科書採択の調査研究により多くの教員の意向が反映されるよう、現行の採択地区の小規模化や採択方法の工夫改善についての都道府県の取り組みを促す。」ことが明記されています。以後毎年、同様の閣議決定がなされています。
 そのような閣議決定に反しかせ山哲男教育長(当時)は、「教職員の投票による採択や恣意的な絞り込み、順位づけをしての採択は、あってはならない。」(2008年12月11日府議会定例会)と答弁しています。貴教育委員会においては、上記の閣議決定を重視し、「多くの教員の意向が反映される」採択方法を指導・助言するように要望します。さらに、教員の意向を十分反映するために、学校単位の採択をめざすように要望します。

5、次の質問にも回答をお願いします。
 (1)中学校教科書採択の選考手続き、日程について
  (2)中学校教科書の各教科用図書調査委員名、選定委員会委員名、選定委員会の日時と 場所。
 (3)検定本の枚方市での展示、閲覧期間の日時と場所
 (4)前回は展示会場で、市民の意見を聴衆する自由記入の用紙を収集しましたが、それがどのように採択に反映されましたか。また今回はどうされるのですか。


                                       2011年5月31日

                           平和都市ひらかたを考える市民の会
                           Dサポーターズ(教育の自由を取り戻す会)
                           子どもたちに渡すな危ない教科書・大阪の会

大阪市教委に「中学校教科書の採択に関する要請書」

2011年5月6日

大阪市教育委員会
委員長 佐藤 友美子 様

子どもたちの人権と教育を考える大阪市ネットワーク

 前略。来年度から使用する中学校教科書の今夏の採択について、以下のことを要請し、文書での回答を求めます。

1、 社会科の歴史と公民の採択にあたって、東アジア諸国の人々との平和・友好を進めるために、「近隣諸国条項」の内容・精神を尊重すること。韓国・朝鮮との竹島問題を初め、領土の所属の主張が隣国と異なっている問題で、他国との対立をあおらず外交で平和的に解決する必要性を堅持すること。それらのことを、「選定基準」文書に明記すること。

2、 理科の採択に関しては、どの教科書も全て3月11日の福島原発事故以前に書かれ製作されたものなので、原子力エネルギーの危険性と被ばくの被害の記述は不十分です。そこで、教科書採択と平行して、福島原発事故で放射性物質が放出され、被ばく被害が起こっている事実を具体的に補う副教材作りの指針を、大阪市教育委員会として策定すること。また、新採択以前の今年度使用中の教科書についても、各教科書会社が発行している原子力エネルギー利用についての副教材の、同様の不十分性を補う視点を、市教委として公表すること。

3、 学校・地区・中央の各調査委員会の報告をまとめて、選定委員会が答申資料を作成するときに、中央を不当に優先せずに各報告内容を平等に扱うこと。昨年度の小学校教科書採択の同答申資料では、採択地区別に各社の「特に優れている点」と「特に工夫・配慮を要する点」を文章記述で列記する欄で、地区調査委報告書の内容よりも中央調査委報告書の内容を優先して取り上げる傾向が、少なくても社会科の場合に各社について一貫して見られた。地区調査委報告書の記述内容についても削除せずに、中央と同様に列挙すること。

4、 採択の教育委員会会議の傍聴を希望する市民を、定員抽選ではなく全員入室させ、市民に開かれた教科書採択を実施すること。昨年の小学校採択までの経過と結果実態から考えて、傍聴者用100席を準備し、もし当日希望者が越えたときは増席すること。

以上
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