大阪市で進む市長と区長の教育支配の制度化~総合教育会議で校長・教員の人事方針と教員評価システムも協議

大阪の会の伊賀です。

■大阪市では総合教育会議を先取りし、2014年度から定期的に「市長と教育委員との協議」が開催されており、市長の職務権限をはるかに超えて、教育施策全般について協議しています。昨年11月の「市長と教育委員の協議」では、橋下市長と大森教育委員長の意向により、4月からの総合教育会議で校長の人事異動方針、教員の人事異動方針、教職員評価・育成システムの評価分布や運用のあり方を協議することを決めました。橋下市長は、教員の評価育成システムの下位評価が少ないことを指摘し、「組織の人事評価としては全然機能していない」と厳しく批判していました。市長と教育委員長が合意すれば、総合教育会議で何でも協議できると考えているとしか思えません。新教育委員会制度の枠組みさえ踏みこえる政治介入です。

■大阪市での首長の教育介入のもう一つの特徴が、市長を補佐するとの名目で区長が総合教育会議に関わることです。現在行われている「市長と教育委員との協議」にも区長が参加しています。1月13日には、 大阪市教育委員会と橋
下徹市長は、24の区長を教育委員会の次長職に就ける方針を決め、全ての市立学校園長の人事について区長の意見を踏まえて決定していくことを決めました。これまで各区長に市教委の「区担当理事」を兼務させてきましたが、さらに「区担当教育次長」に格上げし、区内学校の成果や改革状況のチェック機能も担わせるとしているのです。このままでは、教育現場は首長の教育介入だけでなく、区長の教育介入にさらされることになります。教育の独立性は、完全にないがしろにされます。

◆関連記事
◇24区長を教委次長に 大阪市 校長人事に意見反映 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150113-00000091-san-pol

◇大阪市立学校長の人事に区長が意見…今春から  読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20150114-OYO1T50021.html

■さらに橋下市長と大森教育委員長は、「大阪市における分権型教育行政の制度設計について(基本方針案)」を策定し、体系的に市長と区長の教育介入を制度化し、学校を徹底した成果主義組織に変貌させようとしています。以下に「基本方針案」を掲載しますが、これを4月までに確定させ、2015年度から可能なものから実施しようとしています。極めて恐ろしい基本方針案です。反対の声を上げていきたいと思います。

大阪市における分権型教育行政の制度設計について(基本方針案)
平成27年1月13日

1.本市のめざす分権型教育行政の基本的あり方
(1)「目標」は市長・教育委員会が設定、目標達成の「手段」は区長・学校長が創意工夫。
(2)「人事」と「予算」は、「目標」達成とリンクさせるべき最重要政策。
(3)地域や学校の環境は多様。学力・生活指導面で課題の大きい区や学校は徹底支援。

(4)課題の大きい学校には、予算・人事両面で明示的「ルール」に基づき優先的に支援。
(5)各校の成果(目標達成度、現状改善度)を測定し、校長の評価・人事・給与に連動。
(6)校長は、自校の成果を上げるため、教職員を評価し、人事権を行使することが必要。
(7)成果が上がらない学校については、校長等の人事で刷新を図る。予算は削減しない。
(校長・教職員の責任は問うが、子どもたちの教育条件に不利益を及ぼしてはならない。)

(8)区長は、区内の教育改革推進の責任を負い、区内の学校の教育成果や改革状況をモニタリング。
(9)教育委員会は、分権型教育行政システムが機能するよう、区をサポート。

2.分権型教育行政の制度設計のための検討事項
(1)全市共通の学校の目標設定及び成果測定
【考慮すべき要件】
・測定可能・比較可能な目標指標。目標指標の数は厳選
・バランスのとれた目標指標(例:学力・進路実績・問題行動など客観的指標のほか、特別支援教育などに関する満足度アンケート等も)
・本市が全市共通で実施することを定めた政策「方針」の実施状況を目標指標に含める

・学校・児童生徒・保護者・市民にとっての納得感
・校長評価・人事等に連動可能な実効性
・成果測定における区の役割
(2)学校の成果と連動した校長の業績評価・人事・給与制度の構築
(3)校長による教職員人事権の強化、教職員評価の適正化
(4)課題の大きい学校を優先的に支援する校長・教職員人事ルールの設計
(5)課題の大きい学校を優先的に支援する学校予算配分ルールの設計
(6)校長の予算権の強化(含:予算執行の柔軟化)
(7)区長の教育委員会事務局における位置付け(現行は区担当理事)の強化
(8)区長の校長評価・人事に対する関与
(9)区独自の学校支援予算
(10)区長の業績評価への学校の成果の反映
(11)各区への教育委員会事務局職員の配置

3.分権型教育行政への市民参加
(1)区における教育改革の推進を協議する仕組み
(2)総合教育会議における市民の意見聴取

4.分権型教育行政への転換スケジュール
(1)平成26年度中に制度設計の骨格(基本設計)を策定・公表
(2)平成27年度から可能なものは即時実施
(3)将来における市政運営の抜本的な状況変化も見極めながら、平成27年度中に制度設計の詳細(実施設計)を策定・公表


PDFは大阪市教委HPから
http://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000278/278101/2-2kihonhousin270113.pdf
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校長人事と校長評価を総合教育会議での協議題にしようとする大阪市教委

来年4月からの新教育委員会制度に向けて、大阪市ではそれらを先取りするだけでなく、大幅に総合教育会議に権限を与えようとする動きが出てきました。早急に抗議や反対の取り組みをしていかなければなりません。
各地でも、総合教育会議と首長の教育権限のあり方について議論が始まりつつあると思いますので、警戒を強めてください。

■大阪市では、今年の4月から市長と教育委員の協議会が定期的に持たれており、その中で校内人事での校長権限の強化や「問題を起こす子」を学校から排除する「個別指導教室」などが事実上決められており、教育委員会議はそれを追認する形になってきています。橋下市長の意向はこの協議会で具体化され、市長の教育介入は常態化しています。
これは、総合教育会議の先取りそのものです。大阪市教委はこの市長と教育委員との協議会を総合教育会議に衣替えしようとしています。

■11月25日にあった市長と教育委員の協議会では、「総合教育会議における校長人事に関する協議について」という提案がなされており、今後、校長人事と校長評価を総合教育会議での協議事項にしようとしています。しかも、市長を補佐するために人事室と区長の介入も規定しています。これは校長人事と校長評価について、市長が介入するだけでなく、人事室と区長も介入する異様なものとなっています。

具体的には以下のように記載されています。

総合教育会議における校長人事に関する協議について(案)
                                        平成26年11月25日

 平成27年度より施行される改正地方教育行政法に基づく新制度を展望しつつ、大阪市立学校の校長の能力・実績の適正な評価と学校運営の活性化等に資する校長人事を一層推進するため、総合教育会議における校長人事に関する協議については、下記のとおりとする。



1.校長の人事異動方針については、平成27年度末人事異動方針より、総合教育会議に諮り、教育委員会と市長が協議を行った上で、教育委員会会議において決定することとする。
 また、平成26年度末人事異動方針についても、新制度を試行するため、市長と教育委員の協議会に諮り、協議会での意見の反映に努めるものとする。

2.評価・育成システムによる校長の評価については、評価の一層の適正化及びそれに基 づく給料上のインセンティブの実質化を図るため、総合教育会議において評価分布など 同システムの運用のあり方について協議を行い、協議の結果に基づき、教育委員会が必要な措置を講ずるものとする。

3.総合教育会議(平成27年度以降)又は市長と教育委員の協議会(平成26年度限り) における校長人事(人事異動方針及び評価・育成システム運用のあり方)に関する協議については人事室及び区長が市長を補佐するものとする。

・人事室は、評価・育成システムの検証を行うこととする。
・区長は、区内の学校教育の振興を図る観点から、人事異動方針及び評価・育成システム運用のあり方に関する意見を市長に具申するものとする。
・教育委員会事務局は、人事室及び区長に対し、情報提供等の協力を行うものとする。

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