中学校社会科教科書検定結果にたいする私たちの見解

中学校社会科教科書検定結果にたいする私たちの見解
      2015年4月8日  子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会

1.安倍政権の歴史認識を強制した文部科学省による検定

(1)<領土問題で政府見解を一方的に記述させる>
今回、各社は歴史的分野にも領土問題を記述しました。しかもそのほとんどは政府の見解を忠実に書いたものです。これは一見教科書発行会社の自主的な行為にみえますが、その実文科省が領土問題を政府見解に沿って記述するように、学習指導要領の解説書などを通じて強く指導してきたからです。
領土問題には歴史的背景があり、それぞれの国に言い分があります。それを公平に紹介することもなく自国の主張のみを教えることは、アジアの人々との友好をさまたげ、ヘイトスピーチの温床をつくることにしかなりません。

(2)<新検定基準の押しつけ>
昨年、文科省は新検定基準として「通説的な見解がない数字を記述するときはそのことを明示する」ことを盛り込みました。今回それによって清水書院は関東大震災の朝鮮人虐殺数について「数千人にものぼった」という記述を、「数千人になるともいわれるが、人数については通説はない」と書きかえさせられました。しかし「数千人」という数は幅のある表現であり、これまでの研究ではもっと多いといわれています。「通説はない」とあえて記述させることによって、過去の加害の事実を小さくみせようとする安倍政権の意図が露骨にあらわれています。

(3)<民衆・子どもの目線から編集された学び舎は最初不合格に>
今回初めて検定を受けた学び舎の歴史教科書は、民衆の観点から記述されており、子どもたちが歴史を生き生きと学べる教科書です。日本の侵略戦争・加害・戦後補償についてもきちんと書かれており、唯一、日本軍「慰安婦」についても記述されていました。しかしこの学び舎は最初不合格となり、かなりの書き換えをし、ようやく合格となりました。「慰安婦」についても「慰安婦」の言葉を削除し、河野談話については「現在、日本政府は『軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような資料は発見されていない』との見解を表明している」と政府見解を追加しました。しかしながら、「問い直される戦後」をテーマとして、元「慰安婦」の金学順さんや「河野談話」を取り上げた教科書が登場したことは画期的なことです。

2.愛国心教育を推進する安倍政権の意図をもっとも体現した育鵬社・自由社教科書

(1)<「戦争のできる国」の「戦争のできる国民づくり」のための教科書という本質は変わらない>
   育鵬社の教科書に共通するのは次の特徴です。
   歴史では
 ①過去の侵略戦争・植民地支配の加害の事実をできるだけ教えない
  ②戦争を美しく感動的に描く
  ③日本の歴史を、天皇とその臣下の活躍の歴史として描く
  ④日本の文化は世界一と教え、自己中心的な愛国心を刷り込む

   公民では
  ①人権よりも義務が大切と教える
  ②国民の最大の義務は国防であると教える
  ③原発推進

  自由社は今回歴史教科書しか改訂しませんでしたが、育鵬社教科書をいっそう極端にしたような内容です。

3.安倍政権の広報誌と化した育鵬社公民教科書

(1)<安倍首相の写真が満載>
今回の改訂版育鵬社教科書には安倍首相の写真が12枚もあり、グラビアのアベノミクスで株価上昇という写真なども含めると、安倍政権関係の写真が15枚もあります。こんな特定の政治家を応援する教科書は、教育の中立性・公正性に反しており、教科書としてまったく不適切です。

(2)<天皇の写真が11枚、神社・祭礼の写真が15枚>
今回も多いのが天皇と神社関係の写真です。日本の歴史・文化の中心に常に天皇がおり、神道こそ日本人のこころの拠り所であるという安倍首相と日本会議の主張がストレートに反映されているのが育鵬社公民教科書です。天皇をここまで大きく取り上げるのは国民主権の原則に反しており、神道という特定の宗教を大きく取り上げるのは、多様な子どもが学ぶ公立学校の教科書としてふさわしくありません。

(3)<人権への配慮がまったくない>
育鵬社公民教科書には「基本的人権の尊重」の項目のなかに、「権利の対立と合意」のコラムがありますが、そこでは「社会全体の秩序や利益を侵す場合には、個人の権利や自由の行使が制限されることもある」という例として、「大阪市の全職員への入れ墨調査」の新聞記事が取り上げられています。入れ墨調査はすでに裁判で人権侵害だと判決が出ています。橋下市長は最高裁までやと言っていますが、入れ墨調査は世論からきびしく批判されてきたものです。にもかかわらず、人権の制限の例として教科書に取り上げるのは不適切です。ここには検定意見がついていないので、文科省の検定そのものが問われます。また、育鵬社公民教科書は少年犯罪には厳しく対処せよという姿勢で記述されており、光市母子
殺人事件で被告(事件当時少年)の実名・顔写真を載せた新聞記事をそのまま掲載しました。これには検定意見がつき、育鵬社はぼかしを入れましたが、このほかにも中学三年生の顔写真を載せることの是非を考えさせようとしたりしています。これは子どもでも重大犯罪を犯せば世間に顔をさらすことになると子どもを脅しているのと同じであり、まったく教育的ではありません。

入れ墨記述a

(4)<福島原発事故への反省がなく相変らず原発推進>
現行の育鵬社公民教科書では「原発は国策であるから国民は原発と共生しなければならない」と教える特集を組んでいましたが、今回この教材は削除されました。代わって登場したのが次の記述でした。

「これからも、エネルギーの一部は原子力発電に頼らざるをえないかもしれません。しかし、今回の大津波被害の教訓を生かし、海岸沿いの低地の大型原子力発電所に頼るのではなく、原子力発電所の小型化や地下設置もふくめて大幅な見直しが必要です。」(下線は引用者)

さすがにこれには検定意見がつき、育鵬社は次のように記述を修正しました。

「私たちは今回の事故の教訓を生かし、原子力発電への依存をできるかぎり減らしつつ、放射性廃棄物の処理問題や火力発電所の効率化、安定して低コストにエネルギーを供給できるしくみ作り、地球温暖化対策などに取り組んでいかなければなりません。」

  修正の結果、育鵬社の原発記述は一見無難なものに変わりましたが、原発はやめないという安倍内閣の政策と同じであることに変わりはありません。いやもともと安倍内閣が進めたいことを正直に書いたのが育鵬社でした。しかし、教科書は福島や他地域に避難している子どもも使います。受けた放射能被害が将来どのようにあらわれるのかと怯えている子どももいます。今なお、故郷に帰れない、家族がばらばらの生活を強いられている子どもたちに、しかも次の東海大地震や南海大地震がいつ来るかといわれているこの日本で、「原発を小型化し、地下に設置して受け入れよ」という記述をもともと書いていたのが育鵬社公民教科書だということを、私たちはすべての人に認識してもらいたいと考えます。

以上、このように問題点の多い育鵬社歴史・公民教科書および自由社歴史・公民教科書は、子どもたちが学ぶ教科書としてまったくふさわしくありません。したがって私たちは今後このような教科書が採択されることのないように、各地の教育委員会にはたらきかけていく決意です。
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教員の調査研究を無視する文科省通知の全文

昨日紹介しました文科省の「平成28年度使用教科書の採択について(通知)」が文科省HPに掲載されました。
こちらの方が読みやすいのでご覧ください。

文科省HP
・平成28年度使用教科書の採択について(通知)
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1356555.htm

・平成28年度使用教科書の採択事務処理について(通知)
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1356561.htm

これたの通知は、明らかにこれまでの通知よりも格段に悪くなっています。
いくつか紹介します。

■平成28年度使用教科書の採択について(通知)から

2 教科書採択の公正確保について
(2) 採択教科書の決定に当たっては,教職員の投票によって決定されるようなことはもとより,十分な審議や調査研究を経ずこれまでの慣例のみによって決定されるなどにより,採択権者の責任が不明確になることがないよう,採択手続の適正化に努めること。

3 教科書採択方法の改善について
(2) 教科書の調査研究については,必要な専門性を有し,公正・公平に教科書の調査研究を行うことのできる調査員等を選任し,各教科ごとに適切な数配置するなど体制の充実を図るとともに,調査員等が作成する資料については,教育委員会その他の採択権者の判断に資するよう一層充実したものとなるよう努めること。その際,採択により広い視野からの意見を反映させるために,保護者等の意見を踏まえた調査研究の充実に努めること。
 また,調査員等が作成する資料においてそれぞれの教科書について何らかの評定を付す場合であっても,その資料及び評定について十分な審議を行うことが必要であり,必ず首位の教科書を採択・選定,又は上位の教科書の中から採択・選定することとするなど,採択権者の責任が不明確になることがないよう,当該評定に拘束力があるかのような取扱いはしないこと。

(5) 公立の高等学校において使用される教科書については学校ごとに異なる種類の教科書を使用することが可能であり,採択に当たっては各学校の希望に基づいて行うことが通例となっているが,公立の高等学校において使用される教科書についても採択権限を有する者は教育委員会であり,各学校の採択希望については教育委員会において審査をすることが適切であること。

文科省が、教育委員会の教科書独断採択に導く通知を発出!

4月7日、文部科学省は、都道府県教委に対して「平成28年度使用教科書の採択について(通知)」を発しました。その内容は、今年1月に文部科学省初等中等教育局教科書課名でだされた「教科書採択の留意事項について」と同様の内容で、これまでの通知と比べても現場教員の調査研究を完全に無視する極めて悪いものです。

■産経新聞は、4月9日の朝刊で以下のように報道しました。

教科書採択、教員推薦の1、2社から教委が選ぶ「絞り込み」禁止 文科省、採択適正化へ初通知

 公立小中学校の教科書採択で、採択権限を持つ市町村教育委員会が、現場の教員らが推薦する1、2社程度の中から選ぶ悪弊が行われているとして、文部科学省が、この「絞り込み」と呼ばれる行為を禁止する通知を出したことが8日、分かった。文科省はこれまで通知などで教委の責任が不明確とならないよう再三指導してきたが、具体的に絞り込み禁止に言及するのは初めて。今夏に実施される中学教科書の採択で、公正確保と採択手続きの適正化の徹底を促す。
 教科書の採択権は地方教育行政法で各市町村教委にあると定められているが、戦後長く、「学校票方式」と呼ばれる教職員の投票によって採択されるケースが続いてきた。このため、旧文部省は平成2年に投票を禁止する通知を出した。
 だが、その後も採択にあたり、教員らが「教科書調査員」となって各社の特徴を調査研究する段階で採択させたい教科書を絞り込み、各教委が追認するという「採択権の形骸化」が続けられてきた。
 文科省が昨年実施した採択状況調査でも、調査員が評定した資料を作成し、首位や上位の教科書の中から採択している教委が10%以上あった。採択前に教科書の見本を教育委員の自宅などに送っている教委も13%にとどまっており、採択に対する教委の消極姿勢が浮かび上がった。
 7日付で全国の教委に出した通知では、調査員らが評定した資料について「必ず首位の教科書を採択・選定、または上位の教科書の中から採択・選定すること」のないよう要請。あくまで判断の参考にとどめ、全ての教科書から選ぶよう求めた。これまでの慣例のみで決定することも禁止。調査員についても公正・公平に調査研究できる教員らを選定するよう求めた。

■そこで、何とか通知文を手に入れました。以下に、少し長いですが貼り付けます。この通知が徹底されれば、現場教員等の調査研究が完全に無視され、教育委員の独断採択が恒常化される事態になります。早急に各都道府県教委に、この通知を批判する声をとどける必要があります。

27文科初第91号
平成27年4月7日
各都道府県教育委員会教育長 殿
文部科学省初等中等教育局長
小松親次郎

平成28年度使用教科書の採択について(通知)

教科書の採択は,教科書が教科の主たる教材として学校教育において重要な役割を果たしていることに鑑み,教育委員会その他の採択権者の判断と責任により,綿密な調査研究に基づき,適切に行われる必要があります。
平成27年度においては,平成28年度使用教科書の採択を行うことになります。教科書採択の在り方については、「教科書採択の改善について」(平成24年9月28日付け24文科初第91号718号文部科学省初等中等教育局長通知)等により、その改善方を依頼しているところです。また、文部科学省においては、各教育委員会の協力のもと平成26年度の教科書採択の状況調査を行い、その結果(以下「調査結果」という。)を別添1のとおり取りまとめました。これらも踏まえ、平成28年度の教科書採択に当たって留意していただきたい事項を下記の通りまとめましたので、貴都道府県の採択関係者に徹底されるとともに、域内の市町村教育委員会に対する適切な指導をお願いします。
 なお、採択に関する事務処理の詳細については、別途、当局教科書課長から各都道府県教育委員会教科書関係事務主管課長宛て通委しておりますので(「平成28年度使用教科書の採択事務処理について」(平成27年4月7日付け27文科初第2号文部科学省初等中等教育局教科書課長通知。以下「課長通知」という。))
、これを十分参照し,事務処理に遺漏のないようお願いします。



1 平成27年度の教科書採択について

(1)小学校用教科書
   平成27年度は、基本的に平成26年度と同一の教科書を採択しなければならないこと(義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律(以下「無償措置法」という。)第14条)。

(2)中学校(中等教育学校の前期課程を含む。)用教科番
   平成27年度は、おって送付する「中学校用教科書日録(平成28年度使用)」に登載されている教科書のうちから採択すること。
   都道府県教育委員会は,市町村教育委員会並びに国立及び私立の義務教  育諸学校の校長に射し,適切な指導,助音叉は援助を行うこと。なお,このことは他の義務教育諸学校の採択についても同様であること(無償措置法第10条)。
   その際,特に注意すべき点については,課長通知を参照すること。

(3)特別支援学校の小・中学部用教科書
 ①小学部
    平成27年度は、基本的に平成26年度と同一の教科馨を採択しなければならないこと(無償措置法策14条)。
 ②中学部
    平成27年度は、おって送付する「特別支援学校用(小・中学部用)教科書目録(平成28年度使用)」に登載されている教科書のうちかち採択すること。
    その際、特に注意すべき点については、課長通知を参照すること。

(4)高等学校用教科書
   平成27年度は,おって送付する「高等学校用教科書目録(平成28年度使用)」に登載されている教科書のうちから採択すること。
   その際,特に注意すべき点については,課長通知を参照すること。

(5)学校教育法附則第9桑の規定による教科用図書
  特別支援学校,特別支援学級及び高等学校において使用する学校教育法附則第9条の規定による教科書については,教科書目録に登載されている教科書以外の図書を採択できること。また,毎年度異なる図書を採択することができること。
  その際,特に注意すべき点については,課長通知を参照すること。

2 教科書採択の公正確保について

(1)教科書発行者の宣伝行為については,その実態を把握し,事前に適切な  対策を講ずること。
   文部科学省においては,各教科書発行者に対して採択に関する宣伝行為  について指導を行っているところである(別添2参照)が,域内の学校と  も、情報提供をはじめ密に連携し,採択の公正確保を一層徹底することが重  要であること。

(2) 採択教科書の決定に当たっては,教職員の投票によって決定されるようなことはもとより、十分な審議や調査研究を経ずこれまでの慣例のみによって決定されるなどにより,採択権者の責任が不明確になることがないよう,採択手続の適正化に努めること。
  また,静ひつな採択環境を確保するため,外部からの働きかけに左右されることなく,採択権者の権限と責任において公正かつ適正な採択を行うこと。円滑な採択事務に支障をきたすような事態が生じた場合や違法な働きかけがあった場合には,各採択権者が警察等の関係機関と連携を図りながら、毅然とした対応をとること。
   採択に係る教育委員会の会議を行うに当たっては,適切な審議環境の確  保等の観点から検討を行い,会議の公開・非公開を適切に判断するとともに、公開で行う場合には,傍聴に関するルールを明確に定めておくなど,適切な採択環境の確保に努めること。

(3)都道府県教育委員会は,外部からの働きかけについて状況を適切に把握し,過当な宣伝行為その他外部からの不当な影響等により採択の適正,公正の確保に関し問題があると考えられる場合には,教育委員会等において適切な措置を講ずるとともに,その都度速やかに文部科学省教科書課宛てに報告すること。

3 教科書採択方法の改善について

(1) 市町村教育委員会等において十分な教科書の調査研究期間が確保できるよう、文部科学省としても,調査研究に使用する教科書見本が遅滞なく送付されるよう発行者へ周知するとともに,円滑な需要数集計のためにシステム及びその運用を改善するなどの取組に努めるが,調査結果を踏まえ,都道府県教育委員会にあっては,市町村教育委員会等による需要数の報告の期限をさらに遅くするなど,採択スケジュールについて再検討すること  。

(2)教科書の調査研究については,必要な専門性を有し,公正・公平に教科書の調査研究を行うことのできる調査員等を選任し,各教科ごとに適切な数配置するなど体制の充実を図るとともに,調査員等が作成する資料については、教育委員会その他の採択権者の判断に資するよう一層充実したものとなるよう努めること。その際,採択により広い視野かちの意見を反映させるために,保護者等の意見を踏まえた調査研究の充実に努めること。
   また,調査員等が作成する資料においてそれぞれの教科書について何らかの評定を付す場合であっても,その資料及び評定について十分な審議を行うことが必要であり,必ず首位の教科書を採択・選定,又は上位の教科書の中から採択・選定することとするなど,採択権者の責任が不明確になることがないよう,当該評定に拘束力があるかのような取扱いはしないこと。

(3)教科書の採択に関する情報の公表について,文部科学省としては,法令上
 の努力義務が課されている(無償措置法第15条)義務教育諸学校用教科書の採択結果・理由等に係る現状に関し、調査結果により明らかになったものでは必ずしも十分ではないと認識しており,引き続き,教科審の採択に関する情報の積極的な公表に取り組んでいただきたいこと。また,高等学校段階の学校において使用する教科書の採択につけても,義務教育諸学枝に準じてその採択結果及び理由等の公表に努めていただきたいこと。

(4) 公立の学校において使用される教科書の採択権限を有する者は教育委員会であり,教科書見本は基本的に教育要員会の教育長及び委員の人数分が送付されることになっている。このことを踏まえ、教育委員会の教育長及び委 員が十分な時間的余裕を持って教科書見本を閲覧し,その内容について適時吟味することができるような環境を整えることが必要であり,教育長及び委員に適切に教科書見本が提供されないことはもちろん,採択決定に係る会議 における配布資料としてだけしか活用されないことも不十分であると考えられること。

(5)公立の高等学校において使用きれる教科書については学校どとに異なる種類の教科書を使用することが可能であり,採択に当たっては各学校の希望に基づいて行うことが通例となっているが,公立の高等学校において使用される教科書についても採択権限を有する者は教育委員会であり,各学校の採択希望については教育委員会において審査をすることが適切であること。

(6)中学校・高等学校において使用する検定済教科書であっても,障害その 他の特性の有無にかかわらず児童生徒にとって読みやすいものであることが重要であることから,各教科書発行者において,教科書のユニバーサルデザイン化に向けた取組が進められているところである。各採択権者においても,
 教科書の採択に係る調査研究に当たっては、教科書が障害その他の特性の有
 無にかかわらず児童生徒にとって読みやすいものになっているかどうかにつ
 いても比較検討することが望ましいこと。

(教科書発行者による取組の例)
①ユニバーサルデザインフォントに関する取組
・ルビのフォントを大きくしたり、ゴシックにする。
・本文、グラフの線や数字に太いフォントを使用する。

②カラーユニバーサルデザインに関する取組
・色覚の特性に配慮した見やすい色を使用する。
・色だけで情報を伝えないよう、グラフ等で線の種類を変えたり、模様を付ける。

③レイアウトに関する取組
・重要な部分を囲むことにより明確に視覚化する。
・写真を重ねる際は、境目をわかりやすくする。

4 無償措置法の一部改正における採択地区協議会に係る規定の施行について

  第186回国会において成立した無償措置法の一部改正のうち採択地区協議会に係る規定が平成27年4月1日に施行された。これに係る留意点については,「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正す る法律及び義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行規則の一部を改正する省令の公布,施行について」(平成26年4月16日付け26文 科初第140号文部科学省初等中等教育局長通知),「義務教育諸学校の教科用 図書の無償措置に関する法律施行令の一部を改正する政令及び義務教育諸学 校の教科用図書の無償措置に関する法律施行規則の一部を改正する省令の公 布について」(平成26年9月3日付け26文科初第597号文部科学者初等中 等教育局最通知),「『採択地区協議会に関するQ&A』について」(平成26 年11月17日付け各都道府県教育委員会教科書関係事務主管課宛て文部科学省初等中等教育局教科書課事務連絡)等によりお伝えしたところであり,関 係する教育委員会にあっては,これらの内容を踏まえ,採択地区協・u梛c会に関 する事務の実施に努めること。
 近日中に、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正する法律及び義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行規則の一部を改正する省令が公布・施行される予定である。
 この内容については、別途送付する施行通知を参照の上,この法令改正の趣旨を踏まえた採択事務の実施に努めること。
 特に,今回の法令改正により義務教育諸学校において使用する教科書採択について採択結果及び理由等の公表が努力義務とされることを踏まえ、高等学校段階の学校において使用する教科書採択についても、教科書の採択に関する信頼を確保する観点から、義務教育諸学校に準じてその採択結果及び理由等の公表に努めること。

文科省の違法な内容の配布資料の回収を求める請願-提出

えひめ教科書裁判を支える会からの呼びかけです。

文科省の違法な内容の配布資料の回収を求める請願を愛媛県下の各教育委員会に提出(3月24日)

文部科学省は、2015年1月29日、平成26年度指定都市教育委員・教育長協議会(第2回)に
おいて、資料「教科書採択の留意事項について」を配布しました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/saitaku/1354969.htm

 この資料の中で、文部科学省は、「採択権限」 について、選定・採択資料に示された
各教科の教科書の評価に基づかず、子どもが使用する教科書を教育委員らの独自の評
価で決定すること求めるものです。

 ご存じのように、いわゆる「つくる会」系教科書は、歴史の事実を歪曲するなど多
くの問題があるとして、教員らの調査研究資料である採択・選定資料の評価が低く、
採択・選定資料に基づく採択が行われると同教科書が採択されにくいという状況があ
りました。

それで、「つくる会」ら右派勢力は、右派政治家と結託し、その採択・選定資料に縛
られず、教育委員らの私的な独自の評価(好み)で採択できるようにするために、
「採択権限は教育委員会にある」とし、教育委員会の採択権限を強化してきました。

たとえば、文科省の「平成17年度使用教科書の採択について(通知)」では、
「採択権者としての自覚と責任のもと」とありましたが、
「平成18年度使用教科書の採択について(通知)」では、
「採択権者としての権限と責任のもと」とに変えられ、
教育委員会の採択権限の強化が進み、教員らが、採択から遠ざけられてきました。

今回の配布資料の「教科書採択の留意事項について」では、
「調査員からの報告等を鵜呑みにしたり、教職員の投票によって採択教科書が決定さ
れたりするなど、教育委員会の責任が不明確になるような採択の手続は適当ではあり
ません。」
とついに、その本音が書かれています。

これは、明らかに、「つくる会」系教科書の採択を事実上支援することの表明です。
また、それは、下記のように、戦前の忌まわしい歴史の反省に基づく戦後教育制度の
根幹である教育機関(学校)に対する教育行政機関(文科省と教育委員会)の違法な
介入を促すものになっています。

ゆえに、私たちは、そのような違法な資料の配付した文科省に対して、教育委員会
が、その配布資料の回収を文科省に求める請願を提出しました。

この「選定・採択」資料の取り扱いが、今年の教科書採択の重要な争点となると思い
ます。
そのような理由から、提出しました請願書などを掲載しました。
各地の取り組みの参考にしてください。


「文科省配布資料『教科書採択の留意事項について』の回収措置を請求する意見書」
の文科省への提出を求める請願書
http://kyoukasyosaiban.web.fc2.com/su9/2.html

「文科省配布資料『教科書採択の留意事項について』の
回収措置を請求する意見書」の文科省への提出を求める請願書のPDF版
http://kyoukasyosaiban.web.fc2.com/su9/A1.pdf

別紙「違法理由1」
子どもが使用する教科書を教育委員の独自評価に基づく採択は、教育基本法に反する
http://kyoukasyosaiban.web.fc2.com/su9/b2.pdf

別紙「違法理由書2」
資料『教科書採択の留意事項について』が無償措置法に反する
http://kyoukasyosaiban.web.fc2.com/su9/b3.pdf

別紙「違法理由書3」
教育委員の独自評価に基づく採択は、ILO・ユネスコの「教員の地位に関する勧告」に反する
http://kyoukasyosaiban.web.fc2.com/su9/b4.pdf

別紙「違法理由4」
資料の配付は、財務上の理由から違法である
http://kyoukasyosaiban.web.fc2.com/su9/b5.pdf

情報公開の取り組みを始めよう!

いよいよ2015年4月が始まりました。中学校教科書採択が始まります。
すでに各地の市町村教育委員会では教科書採択の準備が始まっています。
まずは、情報公開請求を行い、情報を集めましょう。

◆◆情報公開するときの注目点(4~5月)◆◆

(1)教科書採択システムが変更されていないかどうか? 
今年度の採択手続き、採択方針の公開請求に加えて、2011年中学校教科書採択に関する規定や事務手続きを示す資料を請求し比較することが必要です。その際、選定委員会の「答申」の方法と内容はどうなっているのか?学校票など教職員の意見がどのように反映されているか、注意深く検討する必要があります。

 <情報公開する項目>(4月~5月)
  ○教科書採択の基本方針、教科用図書選定委員会要綱、採択事務日程、手続き


(2)「調査の観点」(選定基準)に「愛国心」などが含まれていないか? 
「調査の観点」は、教育委員会事務局が作成し、「選定委員会」で決定されます。「選定委員会」の議案、議事録、配付資料の請求も必要となります。ただ、教育委員会事務局が原案を作成する過程は、ほとんど闇に隠されています。情報公開する過程で、教育委員会に明らかにするように追及するする必要があります。

 <情報公開する項目>(5月)
  ○教科用図書選定委員の名簿、選定理由
  ○第1回選定委委員会に配布された資料と議事録
  ○「調査の観点」


(3)総合教育会議での首長の関与のあり方がどのように協議されているか?「教科書採択方針」が協議されているかどうか?
第1回総合教育会議の中で議論される「総合教育会議要綱」(仮称)を公開させ、首長の関与のあり方、メンバ-、会議の公開(傍聴や議事録の公開)などについてチェックする必要があります。会議の傍聴が可能な市町村では、できる限り傍聴することが必要です。そのためにまずは、第1回総合教育会議の日時と傍聴の有無を電話で問い合わせてみる必要があります。

 <情報公開する項目>(4月)
  ○総合教育会議の次第、配付資料、議事録、メンバー


(4)教科書採択に関して教育委員会にどのような要請や請願が届いているか? 
これを明らかにすることで、右派の動きをつかむことができます。

 <情報公開する項目>(5~6月)
  ○教科書採択に関わって教育委員会に届いた個人・団体からの要請・請願・申し入れ


◆◆情報公開のマニュアル(pdf)はこちらにあります。
https://www.data-box.jp/pdir/29d3de3aa05343eba23c86549b5c1d1f

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