府教委への再質問を提出
2015年度使用府立学校教科書採択に関する再質問事項
2014年7月3日
大阪府教育委員会 教育長様
教育委員長様
子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会
貴教育委員会におかれましては、日頃の教育行政に尽力されていることに、敬意を表しています。さて、6月23日の当会との「応接」をふまえ、再質問を行います。早急に文書による回答を求めます。
【質問事項】
(1)貴教育委員会は、6月23日の「応接」のおいて条件付き採択の対処となった実教日本史が「調査研究の観点」の「2」「7」に該当していることを明らかにしました。それを受けて私たちが、「2」「7」に該当するとした根拠を明らかにするように問うと、貴教育委員会は昨年7月9日の教育振興室長名メールに書かれていると回答しました。しかし、実教日本史を「課題がある」としたのは大阪府教委の「全冊調査」でした。7.9メールは大阪府教委の「全冊調査」以前に発信されたものであり、貴教育委員会の回答は、時系列から言っても矛盾していることは明らかです。改めて府教委の回答について、明確な説明を求めます。
(2)貴教育委員会は、「高等学校課教務グループが、(調査員が課題があると考えて)付箋をつけた教科書を教育委員一人一人にに見せて説明する。」「教育委員の『課題あり』という意見が多数であれば『課題がある』として集約した。」と府教委「調査研究」の内容を明らかにしました。その結果、府教委の調査員が「課題がある」とした11冊13カ所の中で、8冊8カ所が「課題あり」となりました。一人一人の教育委員は11冊13カ所の記述についてどのような意見を述べたのでしょうか。具体的に明らかにしてください。
(3)今年の府教委「調査研究」において8冊が課題ありとなり、その内4冊の実教日本史が条件付き採択の対象となりました。「課題」があるかないかは、単に事実認識の問題だけでなく、専門的な「判断」にかかわる問題です。「課題」があるかないかについて、専門家の意見を聴取したのでしょうか。
(4)7点の調査項目について、いつ、誰が、どのような議論によって設定したのでしょうか。また、検定を通過した教科書に対して、再び同じ高校教科書検定基準を用いて調査研究を行う目的を明らかにしてください。
(5)府教委「調査研究結果」について学校長から問い合わせがあったとき、実教日本史を選定しようとする校長に圧力がかかる(感じる)ような指導を行うことは、あってはならないと考えますが、貴教育委員会の考えを明らかにしてください。
(6)「補完教材」は、生徒の考えを深めるための教材ではなく、府教委が一方的な見解を押しつける「政治文書」としか思えません。私たちは、「応接」の中でも「補完教材」の記述の問題点について具体的に指摘しましたが、貴教育委員会からは「補完教材」の記述に即した具体的な回答はありませんでした。そこで、以下の点について見解を明らかにしてください。
①「補完教材」には、最高裁判決について「判決では、国旗に向かって起立 し、国歌を斉唱するという職務命令は、憲法第19条の思想・良心の自由を侵 害するものではなく、合憲であるという判断がなされ、国旗に向かって起立し、 国歌を斉唱するという職務命令の合憲性が確定されました。」と記述していますが、これは最高裁判決を一面的にしかとらえていません。他方で判決は、「不起立は個人の歴史観や世界観に起因し、積極的な妨害ではなく、物理的に式次第の遂行を妨げるものではない。」「不起立だけを理由に停職や減給を選択した都教委の判断は、処分が重すぎるとして社会通念上著しく妥当性を欠き、懲戒権者としての裁量権の範囲を超えるもので違法である。」と判断しています。また、宮川光治裁判官は、教育の場で「公権力によって特別の意見のみを教授することを強制されることがあってはならない」ことなどを理由に、「教員における精神の自由は、とりわけて尊重されなければならない」とし、起立を求める職務命令は「憲法19条に違反する可能性がある」と反対意見を述べています。
これらのことを踏まえると府教委の「補完教材」は、判決の一面だけを意図的に取り出した恣意的な資料になるのではないでしょうか。
②さらに「補完教材」は、「この判決により、同趣旨の職務命令を発令した大阪府の職務命令及び大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌の斉唱に関する条例の合憲性が確認されたと解されます。」と記しています。最高裁判決は、大阪府教委の職務命令や「君が代」起立斉唱条例の合憲性については一言も述べていません。私たちは、これらの記述が明らかに間違いであり、最高裁判決の拡大解釈に他なならいと考えますが、貴教育委員会の考えを明らかにしてください。
(7)昨年、中原教育長は各校の教科書選定過程にあるにもかかわらず、大阪維新の会府議団の要請に応えて実教日本史を選定している学校の選定資料を開示しました。今年度、同様の要請があった場合、府教委としてどのように対応するつもりですか。
私たちは、教科書選定・採択過程のどの段階においても、貴教育委員会が取得した選定・採択関連資料を府民に対してガラス張りにし、逐次情報提供・公開するべきであると考えます。貴教育委員会の教科書選定・採択資料の情報公開のあり方について基本的な考え方を明らかにしてください。
以上
2014年7月3日
大阪府教育委員会 教育長様
教育委員長様
子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会
貴教育委員会におかれましては、日頃の教育行政に尽力されていることに、敬意を表しています。さて、6月23日の当会との「応接」をふまえ、再質問を行います。早急に文書による回答を求めます。
【質問事項】
(1)貴教育委員会は、6月23日の「応接」のおいて条件付き採択の対処となった実教日本史が「調査研究の観点」の「2」「7」に該当していることを明らかにしました。それを受けて私たちが、「2」「7」に該当するとした根拠を明らかにするように問うと、貴教育委員会は昨年7月9日の教育振興室長名メールに書かれていると回答しました。しかし、実教日本史を「課題がある」としたのは大阪府教委の「全冊調査」でした。7.9メールは大阪府教委の「全冊調査」以前に発信されたものであり、貴教育委員会の回答は、時系列から言っても矛盾していることは明らかです。改めて府教委の回答について、明確な説明を求めます。
(2)貴教育委員会は、「高等学校課教務グループが、(調査員が課題があると考えて)付箋をつけた教科書を教育委員一人一人にに見せて説明する。」「教育委員の『課題あり』という意見が多数であれば『課題がある』として集約した。」と府教委「調査研究」の内容を明らかにしました。その結果、府教委の調査員が「課題がある」とした11冊13カ所の中で、8冊8カ所が「課題あり」となりました。一人一人の教育委員は11冊13カ所の記述についてどのような意見を述べたのでしょうか。具体的に明らかにしてください。
(3)今年の府教委「調査研究」において8冊が課題ありとなり、その内4冊の実教日本史が条件付き採択の対象となりました。「課題」があるかないかは、単に事実認識の問題だけでなく、専門的な「判断」にかかわる問題です。「課題」があるかないかについて、専門家の意見を聴取したのでしょうか。
(4)7点の調査項目について、いつ、誰が、どのような議論によって設定したのでしょうか。また、検定を通過した教科書に対して、再び同じ高校教科書検定基準を用いて調査研究を行う目的を明らかにしてください。
(5)府教委「調査研究結果」について学校長から問い合わせがあったとき、実教日本史を選定しようとする校長に圧力がかかる(感じる)ような指導を行うことは、あってはならないと考えますが、貴教育委員会の考えを明らかにしてください。
(6)「補完教材」は、生徒の考えを深めるための教材ではなく、府教委が一方的な見解を押しつける「政治文書」としか思えません。私たちは、「応接」の中でも「補完教材」の記述の問題点について具体的に指摘しましたが、貴教育委員会からは「補完教材」の記述に即した具体的な回答はありませんでした。そこで、以下の点について見解を明らかにしてください。
①「補完教材」には、最高裁判決について「判決では、国旗に向かって起立 し、国歌を斉唱するという職務命令は、憲法第19条の思想・良心の自由を侵 害するものではなく、合憲であるという判断がなされ、国旗に向かって起立し、 国歌を斉唱するという職務命令の合憲性が確定されました。」と記述していますが、これは最高裁判決を一面的にしかとらえていません。他方で判決は、「不起立は個人の歴史観や世界観に起因し、積極的な妨害ではなく、物理的に式次第の遂行を妨げるものではない。」「不起立だけを理由に停職や減給を選択した都教委の判断は、処分が重すぎるとして社会通念上著しく妥当性を欠き、懲戒権者としての裁量権の範囲を超えるもので違法である。」と判断しています。また、宮川光治裁判官は、教育の場で「公権力によって特別の意見のみを教授することを強制されることがあってはならない」ことなどを理由に、「教員における精神の自由は、とりわけて尊重されなければならない」とし、起立を求める職務命令は「憲法19条に違反する可能性がある」と反対意見を述べています。
これらのことを踏まえると府教委の「補完教材」は、判決の一面だけを意図的に取り出した恣意的な資料になるのではないでしょうか。
②さらに「補完教材」は、「この判決により、同趣旨の職務命令を発令した大阪府の職務命令及び大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌の斉唱に関する条例の合憲性が確認されたと解されます。」と記しています。最高裁判決は、大阪府教委の職務命令や「君が代」起立斉唱条例の合憲性については一言も述べていません。私たちは、これらの記述が明らかに間違いであり、最高裁判決の拡大解釈に他なならいと考えますが、貴教育委員会の考えを明らかにしてください。
(7)昨年、中原教育長は各校の教科書選定過程にあるにもかかわらず、大阪維新の会府議団の要請に応えて実教日本史を選定している学校の選定資料を開示しました。今年度、同様の要請があった場合、府教委としてどのように対応するつもりですか。
私たちは、教科書選定・採択過程のどの段階においても、貴教育委員会が取得した選定・採択関連資料を府民に対してガラス張りにし、逐次情報提供・公開するべきであると考えます。貴教育委員会の教科書選定・採択資料の情報公開のあり方について基本的な考え方を明らかにしてください。
以上
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