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【パンフ紹介】 2015年中学校教科書採択 大阪での育鵬社大量採択の要因とこれから

昨年の大阪での育鵬社大量採択の要因と大阪での取り組みをまとめた冊子を作成しました。現在、育鵬社を採択した大阪市で教科書アンケート疑惑が大きな問題となっていますが、 大阪市をはじめ、東大阪市、泉佐野市、四條畷市、河内長野市での育鵬社採択の問題点も掲載しています。是非、ご注文ください。

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2015年中学校教科書採択のまとめ(大阪)
大阪での育鵬社大量採択の要因とこれから

発行:「戦争教科書」はいらない!大阪連絡会

A4版で62ページ 1冊500円

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<目次>

◆はじめに

◆12.6「戦争教科書」はいらん!みんなで声を上げよう!大阪集会講演録
     「なぜ、大阪府内で育鵬社が大量採択されたのか?」
      上杉 聰(子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会共同代表)

◆「育鵬社」採択の地域から
  ◇「東大阪教科書運動」の軌跡と新たな市民デモクラシーの芽生え
  ◇大阪市 橋下「維新」の教育支配と不正まみれの育鵬社採択   
  ◇歴史6位、公民5位の育鵬社を強引に採択した泉佐野市教委        
  ◇四条畷市で初めての育鵬社採択                     
  ◇四條畷の市民として                       
  ◇「育鵬社(公民)」強行採択した河内長野市教委

◆不採択を勝ち取った地域から
  ◇北摂4市1町で育鵬社・自由社教科書の採択を阻止した取り組み
  ◇引き続き採択前に教科書採択情報の全面公開獲得!(高槻)
  ◇枚方の取り組みの報告   
  ◇中学校教科書展示に関して、豊中市で起こったこと

***************************

◆注文方法

必要部数と送付先を記入の上、以下までお知らせください。
代金は冊子代(1冊500円)+送料です。同封の振込用紙をご利用ください。

FAX 06(6797)6704
メール iga@mue.biglobe.ne.jp
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同志社香里中学校の育鵬社教科書採択への抗議に賛同を

日本基督教団いずみ教会の安田和人さんからの呼びかけです。是非賛同をお願いします。

大阪府寝屋川市にある同志社香里中学が、2016年度から使う社会科の教科書として育鵬社の歴史・公民教科書を採択しました。全国でも私立中学では4校目(うち3校が大阪府内私立中学)となり、キリスト教主義学校では初となります。
このことに対し同校聖書科教諭(日本基督教団教師)は校長とも話し合いを続けております。

育鵬社の教科書採択に疑問を呈している聖書科教諭を孤立させず、少なからぬ教会関係者がこのことに遺憾の意を表し、抗議の声を届けていくことが必要と感じ、抗議・申し入れ書を書き ました。
大変、長文になってしまい申し訳ありません。

当初はいずみ教会役員会として決議し送付するつもりで書いたのですが、靖国・天皇制問題情報センターで検討し、これに賛同を募ろうということになりました。
個人、団体いずれでも結構です。ぜひ賛同下さる方は私、安田和人までご連絡下さい。
yasuda@kazu.nifty.jp

個人の場合は、名前と、できれば肩書きを入れてくださると助かります。文章の内容から教会関係者であるとわかった方がいいように思います。

9月7日には第一次として送付いたしました。その後も、同校聖書科教諭の闘いが続く限り第二次、第三次と賛同を募っていく予定です。(9月8日17時現在 個人賛同146名 団体賛同16団体)

何とぞご協力をお願いいたします。

もちろん、各個人、各教会からの抗議も送ってくださればなお嬉しく思います。
福田耕治校長宛のものは2枚のコピーを取り、写)社会科主任殿、写)聖書科主任殿それぞれに宛てていただければありがたいとのことです。

■抗議先

〒572-8585 大阪府寝屋川市三井南町15-1
同志社香里中学校校長 福田耕治
TEL 072-831-0285 FAX 072-834-3750

〒602-8580 京都市上京区今出川通烏丸駅東入玄武町601
学校法人同志社 総長 大谷實殿

同じく
学校法人同志社 理事長 水谷誠殿

■いずみ教会のホームページに特設サイトを作りましたので、こちらも紹介していただいて結構です。
http://www.izumichurch.com/ikuhousyakougi.html
PDF版もダウンロードできるようにしています。

以下、抗議申し仕入れ書本文です。長文で申し訳ありません。

育鵬社発行の教科書採択に対しての抗議並びに申し入れ書

学校法人同志社 総長 大谷實殿
学校法人同志社 理事長 水谷誠殿
同志社香里中学校校長 福田耕治殿


 貴校が日頃よりキリスト教主義に基づいた教育を実践しておられますことに敬意を表します。
 さて、9月3日付の報道に寄りますと、貴校は「2016年度以降に使用する歴史と公民の教科書として、それぞれ育鵬社発行の教科書を採択した」とのことです。キリスト教主義の中学校としては初の採択であることも報道されています。
 報道による指摘の通り、育鵬社発行の中学歴史並びに中学公民教科書(以下、「育鵬社教科書」)は、その歴史観、日本国憲法の捉え方等に大きな問題を孕んでいると言わざるを得ません。

 育鵬社教科書は、自由社発行の教科書と共に、実質的に扶桑社発行の教科書の後継にあたります。2001年、「新しい歴史教科書をつくる会」(以下、「つくる会」)は『新しい歴史教科書』『新しい公民教科書』を発行し、扶桑社より出版しました。その後、「つくる会」は内部対立により二派に分裂し、版元の扶桑社が「つくる会」と絶縁したため、2010年度からは、版元を自由社に移して「つくる会」教科書を刊行しています。一方、「つくる会」から分裂したグループは「日本教育再生機構」や「教科書改善の会」を結成し、扶桑社の完全子会社として設立された育鵬社から教科書を発行するに至っています。

 育鵬社教科書が採択された大阪市に関して言えば、大阪市教育委員である高尾元久氏は、1972年に産経新聞社に入社以来、産経新聞大阪本社委託業務アドバイザーに至るまで、育鵬社と同じフジサンケイグループの職責を歴任しており、育鵬社教科書の共同事業者である日本教育再生機構の機関誌『教育』に少なくとも4回、投稿・インタビュー記事を掲載していることから、高尾委員は育鵬社との利害関係にあることが指摘されてきました。結果として、大阪市においては育鵬社教科書が採択されております。
 大阪市では、首長の権限を拡大させる地方教育行政法の改正が推し進められる中、その先取りとして市長が教育委員会に介入をしてきました。橋下市長の教育委員会制度批判は、ツイッターの発言にも多く見られるところです。
 行政による教育への政治介入は大阪市に限ったことではなく、安倍晋三首相は過去において「新しい教育基本法の趣旨に最もかなった教科書は育鵬社の教科書であると確信しております。(中略)関係者の皆様の大変なご尽力はもちろん、とくに採択された教育委員や私立中学の皆さんには、連日の不当な妨害や反対運動に決して屈することなく、自らの見識と勇気をもって、地域と日本の子供の将来のために育鵬社の教科書を採択されました。本日ご列席の皆様とともに、ここにあらためて敬意を表したいと思います。(中略)わが自由民主党もこの度の教科書採択が適正かつ公正に行われるよう尽力して参りました。」(2011年9月21日「教科書改善の会」主催シンポジウムにて)と発言し、露骨に教科書採択への介入姿勢を表しています。
 このような状況の中で、果たして教科書採択が「公正」の名の下に行われていると言えるでしょうか。改正教育基本法には大きな問題があるとは言え、それでも「教育は、不当な支配に服することなく」(第十六条 )行われるべきものと規定されています。育鵬社教科書が辿ってきた道程は、教育の「自由」の一線を越えてきたと言わざるを得ません。

 同志社香里中学校での教科書採択に何らかの介入があったなどと、そこまで勘ぐるつもりは毛頭ありませんが、育鵬社教科書が、とりわけ大阪市においては大きく問題として取り上げられてきたことを、貴校校長、社会科主任教諭が知らなかったはずはありません。「自治自立の精神」「自由主義」を掲げる貴校が、何故、育鵬社教科書採択という愚行を犯したのか、大きな疑問を抱くところです。

 育鵬社教科書には、その内容にも大きな問題があることは、すでに様々な指摘があるとおりです。
 先に述べた安倍首相発言との関わりで言うならば、8月14日に発表された内閣総理大臣談話(いわゆる「戦後70年談話」)では「アジアで最初に立憲政治を打ち立て、独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました」と語っています。育鵬社教科書は、日露戦争に関する記述において「同じ有色民族が,世界最大の陸軍国・ロシアを打ち破ったという事実は,列強の圧迫や植民地支配の苦しみにあえいでいたアジア・アフリカの民族に独立への希望をあたえました」と記し、それを証しするために孫文の言葉等を引いています。多くの教科書では、日露戦争のその後の評価として「しかし、日本は新たな帝国主義国としてアジアの民族に接することになりました」(東京書籍)、「アジア諸国の期待とは異なり、 日本は韓国の植民地化を進め、陸軍・海軍の軍備を増強させるなど、帝国主義国としての動きを活発にしていきました」(帝国書院)、「しかし、その後の日本のアジアでのふるまいは、その期待を裏切るものとなった」(清水書院)と記述することで、日本の植民地政策に対するアジア民衆からの批判的視点をも書き記しています。一方的見方だけでなく、歴史を様々な角度から見る姿勢こそ、貴校校長が示している「自分で考えて判断し、信念をもって前進していく人。また、人の痛みを知り、自らの力を世の中のために役立てる人」の育成に資するのではないでしょうか。

 なお、育鵬社教科書が引き合いとして出している孫文の言葉「(前略)日本がロシアに勝った結果、アジア民族が独立に対する大いなる希望をいだくにいたったのです」には、その後があり、「今後日本が世界文化の前途に対し、西洋覇道の鷹犬となるか、或は東洋王道の干城となるか、それは日本国民の詳密な考慮と慎重な採択にかかるものであります」(「大アジア主義」1924年12月28日神戸高等女学校において神戸商業会議所外5団体におこなった講演『孫文選集』より)と、日本の覇権主義に対する警鐘を鳴らしています。孫文の言葉の一部分だけを切り取り、その本意を伝えようとしない記述方法は、日露戦争を含め、日本が起こした戦争を肯定化するミスリードといえるのではないでしょうか。

 安倍首相の「戦後70年談話」は、その文章の主語を曖昧にすることで侵略戦争に対する責任性をも不明瞭にし、「繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました」「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と、「反省」「謝罪」という言葉を用いながらも、それらを過去のものに追いやっています。現在、安保関連法案を強行採決しようとしている安倍首相の歴史観と育鵬社教科書の歴史観は、軌を一にしており、これらの歴史観は、過去の事実と真摯に向き合う態度から遠ざけ、ひいては国際社会からの孤立化を招いてしまうのではないでしょうか。そのような姿勢は、校祖・新島襄から受けつがれてきた「国際主義」を掲げる貴校にふさわしいのでしょうか。

 問題は歴史教科書だけではありません。むしろ公民教科書の方にこそ重大な問題があるとも言えます。
 今治市教育委員会『中学校教科書調査報告書』「教科用図書調査研究資料」には、公民教科書の評価の一つとして「憲法改正や安全保障の記述に多くのページを割いていることを含め、教科書をつくる側の意見の押しつけや将来の世論を誘導しようとする意図を感じる/思想に偏りを感じる/自衛隊関係の資料が多すぎる/内容・写真に偏りがある/原発の有用性を強調し過ぎ、その危険性や反対意見があることには言及していないなど、公平性、客観性に欠ける箇所がある/皇室や天皇陛下の写真などを多く取り上げて、愛国心と関連づけようとしている箇所が多く、違和感を感じる」とあります。

 また公民教科書では「男女の平等と家族の価値」という特集を組み、「男女共同参画社会の課題」として「個性尊重が強調される中、男女のちがいというものを否定的にとらえるのではなく、男らしさ・女らしさを大切にしながらそれぞれの個性をみがき、高めていくことが重要です」と「男らしさ/女らしさ」を強調する内容になっています。これらの記述は、ジェンダー意識を固定化するものであり、「性」の多様性が認識されつつある今日においては、明らかに人権感覚を欠いたものです。公民教科書全般にわたり、個人の尊重より家族の一体感・国家としての一体感・国家への帰属意識・国の名誉や存続を強調していることも際だった特徴です。

 改めて問います。何故、このような育鵬社教科書を同志社香里中学が採択することになったのでしょうか。
 貴校における「人権教育」は、「キリスト教主義」教育の具体的実践として行われているということが「本校の3つの柱」から見て取れます。貴校が人権感覚を欠いた教科書を採択するという出来事は、この「キリスト教主義」なる「柱」をも問われる出来事です。すなわち、貴校のキリスト教教育のみならず、キリスト教会が果たしてきた「宣教」をも問われています。
 日本基督教団は、1967年に「日本基督教団総会議長 鈴木正久」の名で「第二次大戦下における日本基督教団の責任についての告白」を常議員会で可決し、公表しました。がしかし、その後、真に「責任」を負いつつ現在に至っているかと言えば、必ずしもそうではありません。今や、日本基督教団は、曲がりなりにも「戦争責任」を告白し歩んできた敗戦後の歴史を否定し、社会と解離した「伝道」を推進しています。

 日本基督教団の教会は、戦中の「責任」だけでなく、敗戦後の「責任」と向かい合わなければなりません。
 自らの「宣教」を問い、悔い改めつつ、私たちは同志社香里中学の育鵬社教科書採択に強く抗議いたします。
 また、「何故」という問いに対する説明責任を要求いたします。下記、住所宛に、育鵬社教科書を採択するに至った経緯と理由説明を文書にし、送付してください。
 そしてその上で、貴校が速やかに同教科書採択を撤回するよう強く申し入れます。


2015年9月7日
呼びかけ人代表 日本基督教団いずみ教会牧師 安田和人

泉佐野市教委への大阪の会からの要望書

7月15日に、大阪の会からも泉佐野市教委に要望書を提出しました。

2016年度使用教科書の採択に関する再要望書

子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

 2016年度から使用される中学校教科書の採択に向けて、貴教育委員会では採択活動が大詰めをむかえていることと思います。私たちは、子どもたちを戦争に導く育鵬社の歴史・公民教科書と自由社の歴史教科書が検定に合格し採択の対象になっていることに強い懸念を持っています。そこで貴教育委員会に教科書採択の公正確保の観点と、平和・人権・共生の教育を進める観点から以下の要望をします。

【1】日本教育再生機構(育鵬社の共同事業者)と深い関係にある千代松市長が教科書採択に一切関わらないようにしてください!

 貴教育委員会は、私たちが5月下旬に提出した「2016年度使用中学校教科書の採択に関する要望書」に対して、教科書採択について「市長とは『協議』をさせていただきます。」と回答しています。
 千代松市長は、2009~2010年に日本教育再生機構の泉佐野支部長をつとめており、市長になってからも2013年5月1日に日本教育再生機構泉佐野支部の集会において講演しています。千代松市長と日本教育再生機構が親密な関係にあることは明らかです。
 その日本教育再生機構は、育鵬社教科書そのものの作成を担い、機関誌「教育再生」の中で「教科書の作成、普及」に取り組む事業者と宣告しています。しかも、今年の4月下旬から育鵬社の歴史・公民教科書の「見本本」を注文販売まで始めており、育鵬社教科書の共同事業者として活発な活動をしています。この事実は、どんな形であれ千代松市長が教科書採択に関与することは、教科書発行共同事業者による採択活動への不公正な介入そのものとなります。貴教育委員会は、千代松市長を教科書採択に関わらせないように強く求めます。

【2】子どもたちを戦争へと導く育鵬社と自由社の歴史・公民教科書を採択しないでください!

 また、以下に指摘するように育鵬社の歴史・公民教科書には、重大な問題があり学校で使用するには不適切です。自由社の歴史・公民教科書も本質的には同じです。私たちは、貴教育委員会が育鵬社と自由社の歴史・公民教科書を採択しないように強く要望します。

①憲法違反の安倍「戦争法」を容認する育鵬社の教科書も憲法違反です。
 安倍政権による安全保障法案(=安倍「戦争法」)は、戦後日本が守り続けてきた「専守防衛」と憲法9条を根本から覆す、まさに憲法違反の法案として厳しい批判にさらされています。育鵬社教科書は、その安倍「戦争法」を積極的に容認し、政府の立場を宣伝する記述をしています。「平和主義と防衛」の項では、「戦後の日本の平和は、自衛隊の存在とともにアメリカ軍の抑止力に負うところも大きい」とし、「国防という自衛隊本来の任務を十分に果たすためには、現在の法律では有効な対応がむずかしい」と紹介しています。また「憲法改正」の項では「日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した場合に、日本が必要最小限の範囲で実力を行使することは、憲法上許される」と、安倍「戦争法」を容認しています。憲法違反の記述をする育鵬社を採択することなどあってはなりません。
   
②育鵬社教科書は、安倍政権の広報誌のような教科書です。
 「公民」教科書には安倍首相の写真が15カ所で登場します。こんな特定の政治家を応援する教科書は、教育の中立性・公正性に反しており、教科書としてまったく不適切です。また、天皇の写真が11枚、神社・祭礼の写真が15枚もあります。日本の歴史・文化の中心に常に天皇がおり、神道こそ日本人のこころの拠り所であるという安倍首相と日本会議の主張がストレートに反映されています。天皇をここまで大きく取り上げるのは国民主権の原則に反しており、神道という特定の宗教を大きく取り上げるのは、多様な子どもが学ぶ公立学校の教科書としてふさわしくありません。

③育鵬社「歴史」教科書は、歴史を歪曲し、アジアの人々との友好関係を破壊します。
 「歴史」教科書は、アジア・太平洋戦争を「大東亜戦争」と呼び、ヨーロッパの植民地支配から「アジアの国々を解放」するための戦争だったと正当化しています。また、韓国併合についても韓国の「近代化」を進めたと記述し、植民地支配の実態を隠しています。このような教科書で学んだ子どもたちは、日本の侵略によって苦しめられた記憶を持つアジアの人々との友好関係を築くことは困難です。

④育鵬社「公民」教科書は、日本国憲法の3原則を歪曲・否定し、改憲へと導きます。
 「公民」教科書における憲法の扱いは他社とは大きく異なって、国家に役立つ人材をつくることを目的として、国民一人ひとりよりも国家を優先し、日本国憲法の精神を根本的に歪めています。
 国民主権の項目は「国民主権と天皇」となり、国民主権の説明よりも天皇の説明に重点を置いています。また、基本的人権を学ぶ項目でも、人権保障よりも人権の制限と国民の義務に重点を置いています。しかも「公共の福祉」を説明するときには、他社のように他人の人権を侵すことになる場合に人権が制限されるとするのではなく、国家・社会の秩序を守るために人権が制限されると書き、歯止めのない人権の制限を容認しています。
 そして、他社では数行しか記述がない「憲法改正」について2ページをあて、各国の憲法改正の回数の一覧表まで掲げ、改憲が必要という政治的主張を打ち出しています。まさに育鵬社教科書は日本国憲法をゆがめ、改憲へと誘導する憲法違反の教科書です。

⑤育鵬社教科書は、自己中心的な愛国心と排外主義を煽り、いじめ・ヘイトスピーチの温床をつくり出します。
 過去の侵略戦争における加害の事実を否定するだけでなく、ゆがんだ“日本人の誇り”を刷り込みます。「歴史」教科書の最後には、「わが国は過去の歴史を通じて、国民が一体感を持ち続け、勤勉で礼節を大事にしてきたため、さまざまな困難を克服し、世界でも珍しい安全で豊かな国になりました。」とまとめ、日本を傲慢にも「世界の中の大国」とまで記述しています。
 また、「公民」教科書では、領土問題で多様な見方は一切取り上げず日本政府が言うがままに「日本固有の領土」とか、他国が「不法に占拠」しているなどと書き、他国との対立を意図的に煽ります。
 大阪の学校には、在日韓国朝鮮人をはじめ多くの外国にルーツを持つ子どもたちが学校に通っています。育鵬社教科書は、多文化共生の教育でなく対立と差別の教育を推し進め、いじめやヘイトスピーチの温床をつくり出します。

2015年7月15日

アジアの平和と歴史教育連帯から泉佐野市教委への要請行動

7月15日、アジアの平和と歴史教育連帯(韓国)が、大阪の泉佐野市教委に訪問し、要望書を提出しています。

2016年度使用の中学校用教科書の採択に関する要望書

2015年7月15日
アジアの平和と歴史教育連帯

泉佐野市教育委員会 教育長  中藤辰洋  様
              委 員  北浦秀樹  様
                    南一早枝  様
                    畑谷扶美   様
                   山下潤一郎 様
                   中村スザンナ様
                    赤坂敏明  様
        泉佐野市教科書採択担当課 御中


 教育にかかわる貴教育委員会の日頃のご活動に敬意を表します。

「アジアの平和と歴史教育連帯」は、韓国の様々な領域で活動する34団体と個人会員で構成される市民団体です。2001年の結成以来、韓中日における教科書問題や歴史教育のあり方を問いながら、三国をはじめとする東北アジアの市民が歴史認識を共有するための活動に取り組み、アジアにおける真の友好と平和の実現を目指してきました。

今年は、日本の戦後70周年、韓国にとっては日本の植民地支配からの解放70周年、そして、韓日国交正常化50周年にあたる節目の年であります。韓日両社会の間に積み残された課題を平和裏に解決し、両国の信頼と友好を深めるための努力を傾けることが、一層問われている時期であると言えましょう。

このような中で、日本ではこの夏に中学校用教科書の採択が行われます。韓国社会では、日本の各地でどのような教科書が採択され子どもたちに手渡されるのかに、深い関心が寄せられています。すでに発表された中学校用教科書の検定結果の内容が韓国でも大きく報道されていますが、残念なことに、領土問題など韓日の葛藤を広げるような記述が増えている一方、かつて日本が誤った国策により韓国をはじめアジアの人々に与えた苦痛や被害に関する記述は極めて不十分になっていることが伝えられているためです。韓日の信頼を築くべき歴史的節目の年にあたって、日本の教育現場ではどのような教材を選択し未来世代を育むのか憂慮を拭えぬまま注目しているのです。

かつて、1982年の教科書検定で日本政府がアジア侵略の事実を隠蔽しようとしたことが火種となり、日本に対するアジア諸国の強い抗議が集中したことがありました。その結果、日本政府は教科書検定の基準に「近隣諸国条項」を設けました。そこでは「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」と明記されています。
この「近隣諸国条項」をはじめとして、1993年の河野談話、1995年の村山談話などは、過去の日本の侵略戦争と植民地支配への反省にもとづく日本政府の国際公約ともいえるものです。私たちは、日本政府が国内外に示したこれらの国際的な約束が、貴教育委員会の教科書採択においても貫かれ尊重されることを強く望むものです。

私たちは、近代日本が韓国をはじめとするアジア諸国を侵略し植民地化した歴史を正当化し、自らの加害の事実を無視・矮小化している教科書、侵略・植民地支配など隣国との間で存在した歴史を自国に都合の良いように一方的に記述することで他国の人々を再び傷つけるような教科書が、泉佐野市の子どもたちに手渡されはしないかと危惧します。

泉佐野市は従来から人権を大切にしてきた街と聞いています。泉佐野市の子どもたちが排他的な愛国主義や国粋主義にとらわれるのではなく、隣国の人々を尊重し、戦争や葛藤を否定し平和を肯定する大人に成長できる教育を受けますことを、切に願います。
願わくば、今後の教科書採択にあたっては、貴教育委員会が、歴史を歪めた教科書を採択することなく、隣国の人々の思いも踏まえながら、平和の視点に基づく公正な選択をされますよう要望いたします。

アジアの平和と歴史教育連帯
共同代表:徐仲錫、安秉佑

○ 構成組織
歴史問題研究所、全国歴史教師の会、挺身隊問題対策釜山協議会(以上、運営委員団体)、全国教職員労働組合、全国民主労働組合総連盟、韓国労働組合総連盟、学術団体協議会、民族問題研究所、歴史学研究所、韓国歴史研究会、太平洋戦争犠牲者補償推進協議会、韓国挺身隊研究所、ナヌムの家、挺身隊のハルモニと共にする市民の会、独島守護隊、韓国女性団体連合、参与連帯、興士団、 韓国教員労働組合、国公共労働組合連盟、全国電力労働組合、全国金融産業労働組合、企業銀行労働組合、全国競馬場馬匹管理士労働組合、済州4.3研究所、 韓国青年連合会、全国撤去民協議会中央会、国際正義と東北アジア平和フォーラム、東北アジア平和連帯、ウリ民族助け合い運動(Koran Sharing Movement)、(社)経済正義実践市民連合・統一協会、大韓イエス教長老会全国女教役者連合会、カトリック教女子修道会長上連合会、ソウル日本人教会(以上、34団体で構成)

守口市民が市教委に要請行動

7月17日、この間結成された守口で教科書を考える会が、守口市教委に申し入れに行かれました。
その時の申し入れ書を紹介します。

守口市教育委員会 様

育鵬社・自由社の教科書を採択しないでください

 先月、6月22日から7月3日にわたり、2週間、東大阪市布施駅の街頭は、聞くに堪えない言葉で満ちあふれました。
 東大阪市教育委員会が引き続き育鵬社・自由社の教科書を採択するよう求めて、「現代撫子倶楽部」の中谷良子らが街宣行動を行ったのです。「現代撫子倶楽部」は有名なヘイトスピーチ団体で、中谷良子は知られているだけでも威力業務妨害と詐欺で逮捕され、有罪判決を受けています。
 そのような人を傷つけ差別することを生き甲斐としていような人が、「ここは日本、在日韓国朝鮮人の居場所はない」と叫び、「ウソばかりが書かれている教科書で日本の子どもたちを学ばせてはならない」「育鵬社、自由社の教科書で日本の子どもたちを守ろう」と主張するその教科書とは、一体どのような教科書なのでしょうか。
 私たちは教科書展示会で目の当たりにしました。

 育鵬社の公民教科書では今の日本国憲法よりも大日本帝国憲法と改憲の説明に文字数を割き、権利よりも義務を、平和主義よりも戦争を訴えています。外国人に参政権がないことを当然のように書き、現在認められている社会権ですら外国人に保障されるものではないと断じています。請願権が「国民」にしかないように誤解されかねない記述もありました。また教育を受ける権利の項目で、国は「将来国家を支え、社会で活躍できるだけの教育」を与えるよう記載していましたが、教育とは「人格の完成」のために行うべきであって、国家を支えるために私たちは子どもを教育しているわけではありません。
 育鵬社の歴史教科書は、過去の侵略戦争や植民地支配を正当化する記述に溢れていました。韓国の人にとって植民地支配の象徴であったため近年取り壊された朝鮮総督府の写真を載せ、米の生産量や学校数が植民地化で増えたことを表で示してあたかも植民地支配が正しかったかのように描いています。「大東亜戦争」を「自存自衛」と謳い、「大東亜共栄圏」というスローガンを批判もせず、その結果、アジア・太平洋地域の人々の命を無数に奪ったことに反省のカケラもありません。
 自由社の教科書に至っては、育鵬社に輪をかけてひどい内容です。
 
 ヘイトスピーチをする人たち、差別発言をすることが「正義」である人たちが、なぜ育鵬社・自由社の教科書を推薦するのか、とてもよくわかりました。このような教科書で教育を受けた人たちは、みな「いい朝鮮人も悪い朝鮮人もみんな死ね」と叫ぶようになるのでしょうか? 「在日」のクラスメイトたちを差別しいじめるようになるのでしょうか? 「在日」の子どもたちは、自分の出自を疑い、認められなくなるのでしょうか? 私たちは、自分の子どもたち孫たちを、そのような偏狭な人間に育てたくはありません。

 守口市の中学校には、いろんな子どもたちが通っています。もちろん日本にルーツを持つ子どもばかりではありません。また民族学級や夜間中学校もあります。いろんな人がいて、お互いの違いを理解し認め合うということの大切さを学ぶことができる環境を、親として、祖父母として、とても大切にしていきたいと思っています。
 そのような守口市の中学校に、育鵬社と自由社の歴史・公民教科書は不似合いであり、これまでの守口市の教育のいい伝統を踏みにじるものです。
 来年度の教科書の採択に当たり、育鵬社・自由社の教科書は絶対に採択しないでください。

2015年7月17日
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